[本文]

国・地域名:
EU
元記事の言語:
英語
公開機関:
欧州委員会(EC)
元記事公開日:
2025/12/11
抄訳記事公開日:
2026/02/05

SAM、緊急事態・危機管理におけるAIの利用に関する報告書と勧告を発表

Artificial intelligence has potential to improve emergency and crisis management, but struggles to interpret complex situations - experts tell the European Commission

本文:

(2025年12月11日付、欧州委員会(EC)の標記発表の概要は以下のとおり)

科学的助言メカニズム(SAM)は2025年12月11日、緊急事態および危機管理における人工知能(AI)の利用に関する報告書と勧告を発表した。

欧州アカデミーによる政策のための科学的助言コンソーシアム(SAPEA)が作成したSAM報告書は、さまざまな危機管理タスクにおけるAIのパフォーマンスに関する知識を統合し、AIのリスクと機会を理解するための枠組みを提示している。

専門家は、綿密な知識収集に基づき、AIには危機時における状況認識、予測、被害評価、意思決定支援を強化する潜在力があることを、欧州委員会に伝えた。

AIが得意とする領域として、①洪水・森林火災・干ばつのような頻発災害で典型的な、標準化されたデータ量の多いタスク②早期警報システムのための環境モニタリングなどの反復的タスク、③被害評価やソーシャルメディアデータの処理が挙げられている。

一方で、AIは①複雑な文脈の解釈、②十分な学習データがない状況で新たな事態に対処する点において課題に直面している。さらに、道徳的に複雑な判断をAIツールに委ねるべきではないとしている。報告書は、AIツールが法的枠組みに準拠し、アルゴリズム上の偏りを回避しつつ、AIによる判断に対する人間の制御と責任を維持するため、注意深いモニタリングが不可欠であることを強調している。また、ベンチマーク、ガイドライン、行動規範の整備の重要性も指摘している。

本報告書は、欧州委員会の科学顧問団である主席科学アドバイザーグループ(GCSA)による一連の勧告によって補完されている。勧告では、AIの導入を決定する前に、リスクおよびその社会的受容性の技術的評価、既存ツールのデータベース整備、ならびに代替手段の体系的検討を行うことを求めている。加えて、データの調和の必要性を指摘するとともに、意思決定プロセスの中心に人間を据える重要性を改めて強調し、職員の研修の重要性を明確にしている。

[DW編集局]