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- 国・地域名:
- フランス
- 元記事の言語:
- フランス語
- 公開機関:
- 研究・高等教育評価高等審議会(HCÉRES)フランス研究インテグリティ事務局(OFIS)
- 元記事公開日:
- 2026/02/04
- 抄訳記事公開日:
- 2026/02/20
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「インテグリティとセキュリティの協業が必要」 OFIS指摘
- 本文:
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フランスの研究インテグリティの司令塔組織である「フランス研究インテグリティ事務局」(OFIS)は4日、研究開発の現場に外国勢力の介入事例が近年相次いでいることを踏まえ、「研究インテグリティとセキュリティが協業するアプローチが必要だ」との考えを示した。
OFISが同日に発行した資料「研究インテグリティと研究セキュリティ」のなかで明らかにした。この資料の中でOFISは、外国勢力が研究開発の現場に介入するリスクの代表的な形態として、「政治的、経営的、資金的な圧力」「恐喝や脅迫にもとづく強要」「デジタルハッキングや組織への潜入工作」の3種類を列挙。「こうしたリスクを正しく認識しなければならない」とした。
そして各研究機関の関係者への”手引き”として、▽国家安全保障や防衛の関係者にとって研究インテグリティを可視化するとともに、研究インテグリティの関係者にとって外国勢力のリスクを可視化すること、▽適切な教育や啓発活動を行うこと、▽各機関レベルと国レベルで互いに情報を共有するための条件を検討すること、▽研究開発の現場における外国勢力の実態について知見や意識を高めること、▽研究インテグリティ推進の現状を確認するレポートを出すこと、▽デュアルユース以外の領域に適用できる新たな保護措置を特定すること――などを示した。
そのうえでOFISは、各機関が取り組むべきこととして、◇情報の共有を最小限に抑えて機密性を確保すること、◇リスクの排除と特定の者の意図的な排除とを区別すること、◇アカデミア以外の関係者ともインテグリティやセキュリティの概念を共有すること――を指摘した。
OFISは、機関評価を行う政府の独立機関「研究・高等教育評価高等審議会」(HCÉRES)に設けられた内局の一つで、国内の各研究機関や高等教育機関が置く研究インテグリティ担当の専門職員を介し、国内全体での研究インテグリティの推進を統括している。一方で研究セキュリティの事務は、首相府防衛・国家安全総務庁(SGDSN)が所管しており、OFISが研究セキュリティに直接言及する機会は少なかった。
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<DW編集局から補足>
日本語の「研究セキュリティ」に相当する概念は、フランス語の政策文書では「sûreté de la recherche」が多用されていますが、今回のOFISの報告書では「sécurité de la recherche」と表現されています。一般的なフランス語としては、「sécurité」も「sûreté」も、ともに「安全な状態」「危険が少ない状態」といった意味を持ちますが、このうち「sécurité」は、リスクや危険のなさがより客観的に担保される場合に用いられます。(フランス担当フェロー・内田遼)
[DW編集局]