[本文]

国・地域名:
英国
元記事の言語:
英語
公開機関:
英国研究・イノベーション機構(UKRI)
元記事公開日:
2026/02/01
抄訳記事公開日:
2026/03/03

UKRI CEO、投資アプローチ再編とSTFC財政是正を含む研究投資方針を説明

Open letter from Ian Chapman to research and innovation community

本文:

(2026年2月1日付、英国研究・イノベーション機構(UKRI)の標記発表の概要は以下のとおり)

UKRIのイアン・チャップマン(Ian Chapman)CEOは、研究資金および科学技術施設会議(STFC)の財務状況をめぐる懸念に対し、UKRIの投資アプローチの変更の概要を示した。

■ 全体の予算は増加している
歳出見直し(SR)期間(2026年~2030年)において、UKRIの研究・イノベーション総予算は増加する。これは制約下にある公的財政における特権的な位置づけになっており、政府が研究・イノベーション・コミュニティに示した信認の表れであると認識すべきである。
しかしこれと同時に、政府は「より少ないことがらに集中し、よりよく行う(focus and do fewer things better)」ようUKRIに要請している。

■ 変更の内容とその理由
投資を、①探究心を原動力とする研究、②政府・社会の戦略的優先課題、③革新的企業の創業・成長支援の3区分(buckets)に整理し、インフラ・施設・スキル投資がこれを下支えする。UKRIは従来からこの3区分を支援してきたが、投資の内訳と期待される成果について整理が十分ではなかった。
実践面では、多くは引き続き各研究会議が担う一方、人工知能のように複数会議が大きく関与する分野では、会議横断でチームを統合し、UKRI全体の単一の重点プログラムとして実施する。
探究心を原動力とする研究への支援はSR期間を通じて保護され、投資の約50%を占める。残りは応用研究および革新的企業への支援に充てるが、このような配分は従前と変わらない対応である。

■ 当面の意味合い
上述の変更に向け、UKRIは現在レビュー期間中にある。2027年度の開始までに新たなモデルへ完全移行する計画である。
探究心主導型では、既存コミットメントの縮小に伴い資金余力が拡大し、今年後半には新たな公募が始まる見通しである。
政府・社会の優先課題の区分、言い換えるなら「応用研究」については、より短期的な成果の創出を目的として、主として(しかし排他的にではなく)、8つの産業戦略セクター計画に各プログラムを整合させる。現在、新規プログラムを策定中であり、今春から新たな取組が立ち上がる。
「より少ないことがらに集中し、よりよく行う」ためには、困難を伴う決定が不可欠である。これは学問分野の選択ではなく、広い学問分野の中から集中すべき領域を選択することを意味し、そのような選択がなければ、いずれ全てを失うことが予測される。

■ STFCの状況
STFCは、管理する施設・サービスの性格、助成対象研究、想定超過の費用を伴う一部プロジェクト等により、コスト基盤が大幅に増大しており、UKRI傘下の他会議とは事情を異にする。
前のSR期間において、エネルギーコストの上昇や為替変動の影響により、STFCの年間コストは5,000万ポンド超、上昇した。
持続可能性確保のため、運用コスト見通しに対して累計で1億6,200万ポンドの圧縮が必要である。これはSR期間の各年度で同額を削減する趣旨ではなく、2029年度末までに年間費用の純減として達成すべき総額である。STFCは、SR期間を通じてコスト基盤を再構築し、2029年度までに収支均衡と主要施設の適切かつ持続的な財源確保を実現する必要がある。

[DW編集局]