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- 国・地域名:
- フランス
- 元記事の言語:
- フランス語
- 公開機関:
- 国立科学研究センター(CNRS)
- 元記事公開日:
- 2026/02/03
- 抄訳記事公開日:
- 2026/03/04
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CNRS、職員向け生成AI「Emmy」導入 ミストラル社が開発
Le CNRS lance avec Mistral AI un outil d’IA générative sécurisé mis à disposition de ses agents
- 本文:
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(2026年2月3日付、国立科学研究センター(CNRS)の標記記事の概要は、以下のとおり)
CNRSは安全な生成AIツールを提供するため、仏ミストラルAI社(Mistral AI)とともに生成AI対話エージェント「エミー(Emmy)」を開発し、昨年12月17日から希望する職員の利用に供している。CNRSのプジェ資源担当副局長にこの現状を聞いた。
◇CNRSとMistral AIの契約の内容は?
CNRSは2025年10月、Mistral AIと人工知能(AI)ソリューション利用の契約を締結し、12月17日、Emmyを3万5,000人の職員に展開した。厳格に定義された認証によりCNRS職員のみがアクセスできるよう、安全に設計されている。
2024年末から約1年間かけ、Mistral AIが提供するオープンモデル等を用いて安全な対話エージェントを構築し、約600名の志願職員が内部でテストした。概念実証によりニーズを特定し、一般展開に伴う技術的課題を把握できた。このような大規模な展開は、フランスの研究界では前例がない。
◇CNRS職員にフランスの対話エージェントを提供する意義は?
現在、生成AIおよび大規模言語モデルの市場は、主に米国と中国が主導している。欧州の有力企業は少数であり、Mistral AIのような代替的選択肢は限られる。業務で汎用生成AIの利用を望む職員に対し、安全なソリューションを提供することが必要である。
Mistral AIとの契約により、Emmyを利用するCNRS職員のデータは、GDPR(EUの一般データ保護規則)およびAI法の適用を受ける欧州域内のデータセンターでホストされ、データ利用の安全性と完全性が保証される。
◇この対話エージェントの特徴は?
Emmyは汎用AIツールであり、主要な対話エージェントと同様な機能を備える。全言語への翻訳、文書要約、言い換え支援および思考支援、ウェブ検索に加え、テキストおよび画像認識も可能である。
従来の対話エージェントと同様、ユーザーの質問を段階的に処理し回答する。Emmyは、提供された情報の痕跡を保持し、可能な限り最も適合的かつ妥当な回答を提供する。他方、Mistral AIが開発するAIモデルおよびその他の製品を訓練する目的で、ユーザーが入力したプロンプトや文書を利用または再利用することはない。
◇CNRS職員には「ChatGPT」や「Gemini」など他の対話エージェントの使用は許可されるのか?
Emmyは職員に提供されるが、使用義務はない。一方、業務おいて同様の機能を有する他のツールの使用は禁止される。
Emmyの使用条件を示し、他の汎用公開AIの使用を禁じる文書を作成し、AI利用を規律する憲章も準備中である。
◇この対話エージェントの限界、Emmyを利用する際に注意すべき点は?
このツールは個人アシスタントと見なすことができるが、回答の質は質問の精度に依存する。必要な文脈要素がすべて与えられなければ、曖昧または誤った回答となるおそれがあるため、一定の距離を保ち、批判的精神をもって受け止める必要がある。
Emmyはウェブ検索の際、回答に必ず出典を付し、提示された情報の真偽を確認できる。
◇CNRSは職員に対話エージェントを提供する最初の研究機関の一つである。この利用に関する支援は?
CNRSは、ビデオ研修および啓発モジュールをすでに職員向けに提供している。1時間および6時間のモジュールを展開し、利用条件および利用上の限界を強調している。適切な回答を得るため、プロンプトに特化した研修の実施も予定している。Emmyに限定せず、生成AIの利用に関連する諸問題について全職員の意識を高めることを目的としている。
◇職員からの初期の反応は?
すでに7,000人以上のユーザーがアカウントを有効化しており、利用者数は日々増加している。職員からは好意的な反応が寄せられており、同時に支援要請も寄せられている。
[DW編集局]