[本文]
-
- 国・地域名:
- フランス
- 元記事の言語:
- フランス語
- 公開機関:
- 国立情報科学・自動化研究所(INRIA)
- 元記事公開日:
- 2026/02/05
- 抄訳記事公開日:
- 2026/03/09
-
INRIAとVIGINUM、情報操作対策で戦略的連携を強化
Manipulations de l’information : comment Inria et VIGINUM unissent leurs forces
- 本文:
-
(2026年2月5日付、国立情報科学・自動化研究所(INRIA)の標記記事の概要は、以下のとおり)
人工知能(AI)などを使った情報操作が拡大するなか、INRIA、および外国デジタル干渉対策を行う首相府防衛・国家安全総務庁(SGDSN)の専門部署である国際デジタル攻撃対策室(VIGINUM)は、それぞれの専門性を結集し、情報攻撃や検出、分析、対抗を強化するため戦略的に協力する。フレデリック・スゴンINRIA防衛・安全保障部門長とアン・ソフィー・ディヴェールVIGINUM副部門長に、協力の課題、目的、展望を聞く。
◇情報操作対策における使命と目的は?
スゴン部門長:INRIAは2024~28年の「目的・手段・成果契約」(COMP)に基づき、情報操作対策として軍事・退役軍人省および首相府防衛・国家安全総務庁(SGDSN)のデジタル課題を支援する。ハイブリッド紛争の拡大で、SNSや生成AIにより増幅された情報操作は主な戦略的手段となり、予防・検知・分析が不可欠である。INRIAはチーム横断で研究プログラムを構築し、国立科学研究センター(CNRS)などとも連携しつつ、人文社会科学(SHS)の研究者採用で分析力も強化している。
ディヴェール副部門長:VIGINUMの存在理由は、国家の基本的利益に関わるデジタル空間における公共的議論の保護であり、主たる任務は、外国によるデジタル干渉を検知し、その特性を評価することである。そうしたデジタル干渉への対策を目的とし、外国国家等が関与してゆがんだ手段で拡散され、わが国の基本的利益を損なうおそれのある主張等を対象とする。
◇VIGINUMとINRIAが協力する背景と協力課題は?
ディヴェール部門長:情報操作が激化する中、VIGINUMは単独では対処できず、学術・科学コミュニティとの連携は戦略的優先事項である。INRIAとの連携により、外国のデジタル干渉の検出と特性評価に関する専門知識と、AI、データ分析等の分野における同研究所の最先端スキルを融合させることができる。
スゴン部門長:VIGINUMは情報操作の具体的事例を扱い、運用活動から得られるリアルタイムの大量データを保有している。INRIAはこの協力により、情報攻撃の特性評価や、伝達様式および拡散経路の研究など、運用面の重要課題に取り組む。
◇検知・分析ツールのイノベーションは?
ディヴェール副部門長:検出・特性評価のため、VIGINUMはデータ科学者等からなるデータラボで最先端の手法を実装している。そして科学者を顕彰し支援する制度「VIGINUM-INRIA年次賞」を創設することにより、VIGINUMの運用能力を向上させる研究成果の発掘を期待している。データラボは、迅速かつ的確な検知のためのオープンソースツールの研究開発にも取り組んでいる。
◇「VIGINUM-INRIA年次賞」の具体的な目的や仕組みは?
ディヴェール副部門長:「VIGINUM-INRIA年次賞」の制度を設け、特にAIの活用を通じて、情報操作対策に資する高性能な運用ツールの研究開発を支援する。
スゴン部門長: この賞は、情報操作対策に応用可能な欧州の高水準研究を顕彰・支援することを目指す。受賞の成果は新たな方法や視点をもたらし、ポスドクを含む新たな研究者を把握し、博士課程やポストドクトラルとしてプロジェクトに参画してもらう機会にもなる。
◇欧州規模で賞を創設した背景は?
ディヴェール副部門長:情報操作対策に応用するデジタル科学には、まだ形成途上で開拓されていない領域も多い。このため欧州の優れた研究を顕彰して新たな発想とツール開発を促すべく、欧州規模でこの賞を創設した。INRIAは卓越性と革新を担う中核機関であり、連携は自然である。
◇情報操作対策における科学的研究の貢献は?
スゴン部門長:デジタル科学は膨大な情報データを分析する上で不可欠である。INRIAの複数のチームが情報操作対策に直接取り組んでいる。自動生成コンテンツの識別、協調的キャンペーンの検知、複数チャネルで同時に拡散される虚偽情報の検出が重要である。また、テキスト、音声、映像の解析を地政学上の専門的な知見と組み合わせることで、攻撃の発生源や関与主体の把握にも資する。
[DW編集局]