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- 国・地域名:
- フランス
- 元記事の言語:
- フランス語
- 公開機関:
- 国立農学・食料・環境研究所(INRAE)
- 元記事公開日:
- 2026/01/20
- 抄訳記事公開日:
- 2026/03/11
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INRAE、2025~30年の「研究・イノベーション」優先15挑戦課題を発表
Priorités INRAE 2025-2030 : lancement de 15 défis « Recherche et Innovation »
- 本文:
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(2026年1月20日付、国立農学・食料・環境研究所(INRAE)の標記発表の概要は、以下のとおり)
気候、農業、保健、環境の危機が加速し、農業、食料、林業システムの抜本的転換が急務となる中、INRAEは、2030年に向けた科学戦略の展開において新たな段階へと踏み出した。フィリップ・モーガン理事長らは、INRAEの科学戦略の中間見直しに合わせ、15の「研究・イノベーション」挑戦(課題)を発表した。
国際的な科学競争の激化、公的研究に対する社会的期待の高まり、そして実践的解決策への強い需要といった状況の中で、INRAEは科学を変革の決定的な推進力とする取り組みを強化し、食料主権の確保、環境の持続可能性、そして人々の健康の向上に貢献することを目指している。
INRAEは2021年以来、科学方針および横断的政策方針に基づき研究活動を展開してきており、今回は以下のとおりに整理した。
まず科学方針は、学術的卓越性、イノベーション、公共政策への貢献という側面を有し、明確かつ野心的な研究優先事項に基づき、以下の5種類の研究対象分野を定めている。
▽科学方針1:地球規模の変化と関連リスク
– 気候変動への緩和策と適応策の統合
– 天然資源の持続的管理
– 生物多様性の保全、適応、回復
– 多様なリスクの評価と予測の高度化▽科学方針2:アグロエコロジーへの移行と食料システムの変革
– 効率的で低投入資材の農業の推進
– 持続可能な畜産システムの設計
– アグロエコロジー・システムの設計手法の開発
– 健全で持続可能な農業・食料システムへの移行の加速▽科学方針3:節度ある循環型バイオエコノミー
– バイオマスおよびバイオテクノロジーの有効活用
– 農業および林業分野における再生可能エネルギーの開発
– バイオエコノミーにおける経済・社会ダイナミクスの支援▽科学方針4:ワンヘルス
– 感染症の予防と予測
– 曝露特性の分析を通じた汚染物質の影響の軽減
– 健康的な食生活の促進▽科学方針5:データサイエンス、人工知能、デジタル技術による転換の推進
– 情報取得方法および関連技術の開発
– データ活用による複雑なシステムの理解と管理
– デジタルツインを用いた複雑システムの理解と制御次いで横断的政策方針は、上記の科学方針にもとづく研究の実施と研究所の戦略的運営を支える枠組みとして、以下の3種類を定めている。
▽横断的政策方針1:研究の影響力の向上とイノベーション創出の加速
– 社会経済的主体と連携した研究の強化、技術移転および起業支援
– 明確な科学的専門知見にもとづく公共施策の支援
– オープンサイエンスと知識共有の推進
– 地域における多様なステークホルダーの活動支援▽横断的政策方針2:地域から世界規模までの学術連携の強化
– フランスが直面する課題分野における国内研究コミュニティの活性化
– 欧州研究圏(ERA)における研究所の地位の強化
– 国際的リーダーシップの強化▽横断的政策方針3:CSR関連活動の強化によるINRAEの魅力と効率性の向上
– 研究所の科学的野心にふさわしい研究環境の整備
– 職員の社会的貢献を通じた研究所の魅力向上
– より効率的で革新的な運営に向けたアジャイルな組織これらの方針は、研究部門および地域センターの2026~30年の戦略計画を通じて具体化され、INRAE が政府と締結する次期事業計画(2026~30年)である「目的・手段・成果契約」(Contrats d’objectifs, de moyens et de performance:COMP)を策定する基礎となる。
[DW編集局]