[本文]

国・地域名:
フランス
元記事の言語:
フランス語
公開機関:
国立科学研究センター(CNRS)
元記事公開日:
2026/02/17
抄訳記事公開日:
2026/03/17

CNRS、AIインパクトサミットを前にインドとの科学協力の重要性を強調

Coopérations scientifiques : pourquoi l’Inde devient incontournable

本文:

(2026年2月17日付、国立科学研究センター(CNRS)の標記記事の概要は、以下のとおり)

インド政府が2月19日からニューデリーで開催する「AIインパクトサミット2026」を前に、CNRSインド代表事務所のジル・アルカラス新所長が、このサミットの戦略的課題とCNRSのインドとの協力関係について解説した。

――マクロン大統領など多くの国家元首が参加するこのサミットの主な課題は?
昨年、フランスはAIアクションサミットを主催し、人工知能(AI)の倫理的・社会的課題や経済関係を中心に、不平等、偽情報、デジタル格差、南北格差などを議論した。今回のサミットでは、人類全体を利するAIという明確な構想の下、対話から実行への移行を目指している。
持続可能なAI構築に向け、このサミットは3つの「原則(スートラ:sutras)」、すなわち、人々(peuples)、地球(planète)、進歩(progrès)という3つのPで構成されている。目標は、構想を具体的応用へと結び付け、公平で包摂的かつ責任ある形でAIが人類に資するようにすることである。

――インドの具体的な課題は? モディ首相の戦略は?
インドは技術国家への道筋を描き、その実現に向けてAI分野への外国投資の大幅な呼び込みを図っている。外国技術への依存を抑えつつ、約15億人におよぶ国民全体が進歩の恩恵を受けることを目指している。公用語22、方言数百という言語的な多様性の下で、言語AIは主要課題の一つであり、意思疎通とサービスへのアクセスの円滑化が期待されている。「メイク・イン・インディア」を掲げ、技術主権を重視する。

――CNRSのサミットへの参加は?
プティCNRS理事長は、国際パネルおよび衛星ワークショップに参加する。特に、フランスのAI技術を組み込んだ携帯型MRIの披露や、フランス・インドグローバルヘルスAIセンターの立ち上げが予定されている。また、理事長は、CNRSが設立し外国パートナーの関心を集めている「科学のためのAI、AIのための科学(AISSAI)」センターを紹介する。

――インドの研究組織や科学的な優先事項は?
R&D投資の対GDP比は低いが、国の規模を踏まえれば総量は大きい。論文数でも世界の6%を占める。多くの研究機関が独自の財源を持って複雑に関わり、全体が断片化しているが、今後の改革が期待される。主な優先課題は、AI、量子技術、ブルーエコノミー、脱炭素水素、防衛、医療である。

――CNRSインド代表事務所の主な拠点や協力関係は?
人文・社会科学の分野では、デリー人文科学センターとフランス・ポンディシェリ研究所が重要な拠点である。数学も重要な分野で、国際研究所ReLax(IRL)は両国の数学者の交流拠点となっている。生物学、化学、材料、工学、物理学の分野で、全体で約15件の協力を支援している。

――インドがCNRSとの間で強化したい分野は?
現在、半導体材料、AI、量子技術、防衛技術、宇宙技術への関心が寄せられている。一例はトリシュナ衛星ミッションで、特に農業分野の水管理や都市の微気候の研究などへの貢献が期待されている。インドはまた、国家量子ミッション(NQM)により量子技術分野で主要な役割を担うことを目指している。

――着任後のインドとの科学協力に関する展望は?
CNRSインド代表の使命は、CNRSの国際協力ネットワークにおけるインドの位置付けを強化することである。協力形態は変化し、優先度、資金、戦略的テーマもそれぞれ変化している。今日、インドは世界の科学研究において重要な地位を占めており、協力関係は今後さらに拡大し、長期的にはわかりやすくまとめられるべきである。限られた資源と変化する優先度を踏まえ適切な選択が求められる。欧州レベルでも最近、インドとEUの科学技術関係が強化された。

[DW編集局]