[本文]

国・地域名:
フランス
元記事の言語:
フランス語
公開機関:
国立科学研究センター(CNRS)
元記事公開日:
2026/04/10
抄訳記事公開日:
2026/05/15

CNRS、基礎研究と応用研究の連続性を強調 - FP10での技術インフラ議論を巡り

« Nous défendons un continuum entre recherche fondamentale et recherche appliquée »

本文:

(2026年4月10日付、国立科学研究センター(CNRS)の標記記事の概要は、以下のとおり)

競争力強化のための研究・イノベーション戦略である「第10次欧州連合(EU)研究・イノベーション枠組みプログラム」(FP10、2028~34年)に関して、欧州では技術インフラ(IT)という新しい装置カテゴリーが議論されている。CNRS超大規模研究インフラ委員会のミシェル・ギダル委員長が、当面の課題について語る。

◇ITの概念は、欧州委員会(EC)のFP10の提案に登場するが、研究インフラ(IR)とどう違うのか?

IRは、望遠鏡や粒子加速器など、独自で高価な大規模科学機器を指す。人文・社会科学では大規模データベース、生命科学ではイメージングやバイオインフォマティクスのネットワークなどがこれに当たる。

これらのインフラは主に学術界が利用するが、産業界にも開放されている。マイクロエレクトロニクスのクリーンルームなどで最大30%が産業界の利用に関わっている。

ECが想定するITは、異なる対象、すなわちスタートアップから大企業までの企業に向けられ、最先端設備やサービスを用いて、技術を試験し、検証し、工業化へ導くことを目的とする。技術成熟度水準(TRL)はより高い。ITの経済モデルはなお定義されていない。

◇EUは、この将来の仕組みに大きな期待を寄せており、EC提案では2028年~34年のIRおよびIT予算を24億ユーロから100億ユーロに増額するとしているが、CNRSはこの提案を歓迎するのか?

インフラは建設・運営に多額の費用を要し、その負担はしばしば一つの国家の枠組みを超えることがある。ここでは欧州レベルで必要であるため、CNRSとしては歓迎すべきことである。

一方、インフラ向けのこの新規予算のうちIRとITへの配分はまだ定まっておらず、ITの発展が科学的生産の基盤であるIRを損なうものであってはならず、この点に留意が必要である。

CNRSはこの分野に深く関与しており、国家ロードマップに記載されたIRの80%を主導、もしくは他機関との共同で主導し、その多くは「欧州研究基盤戦略フォーラム(ESFRI)」のロードマップを通じて欧州レベルでも認知されている。CNRSは財政面でも関与し、毎年2億ユーロ超のIR予算を管理している。これらのインフラは科学的卓越性を構造化し、イノベーションエコシステムの上流を潤している。

したがってこの予算増額が、IR向け予算の停滞、あるいは減少につながってはならない。もしそうなれば欧州のイノベーション能力を将来的に弱めることになる。

◇CNRSは、基礎研究と応用研究の間に連続性を確保するという考えに立てば、IRとITをどう組み合わせるのか?

重要な技術発展の起点となってきたIRの例が示すように、基礎研究なしに応用研究は成り立たない。例えば欧州原子核研究機構(CERN)は、1990年代のウェブやインターネットの起源となり、最近では超伝導磁石分野の研究開発を通じて、生命科学向けで世界有数の高性能画像化装置にもつながっている。

一般に、多くのIRはすでに産業利用者にも開放されており、その商業化を見据えた技術開発にも寄与している。確かに、なおかなり上流段階の研究ではあるが、民間主体がIRに関心を示していることは、IRが実際にイノベーションのニーズに応えていることを示している。従って、両カテゴリーを硬直的に分離しないことが重要である。問題は、資金調達のあり方も含め、両者の架け橋を組織することである。

CNRSにとって将来の枠組みプログラムの課題は、基礎研究を支援し、それをとりわけイノベーションの面で社会に役立てることである。その条件があってこそ、欧州は技術大国であり続けるために必要な科学的卓越性を支えることができる。

[DW編集局]