[本文]

国・地域名:
ドイツ
元記事の言語:
ドイツ語
公開機関:
フラウンホーファー協会(FhG)
元記事公開日:
2026/04/01
抄訳記事公開日:
2026/05/18

フラウンホーファー、分散型AIから企業データを完全削除する技術を開発

Unternehmensdaten aus KI-Modellen zurückholen

本文:

(2026年4月1日付、フラウンホーファー協会(FhG)の標記発表の概要は以下のとおり)

共同研究では、複数の企業がデータを持ち寄ることで、AIモデルの開発はより良い成果をもたらす。問題となるのは、ある参加者が離脱し、自社データの削除を求める場合である。フラウンホーファーの研究者と富士通リサーチは、このような場合にデータを分散型AIモデルから正確に除去できる方法を開発した。

多数の協力企業がデータをAIに入力すると、学習モデルは多様なデータを受け取る。これに応じて、より高品質で信頼性の高い結果を生成する。データ主権を維持するため、企業は分散型学習アプローチを採用している。データは中央サーバーに送られるのではなく、各所のAIモデルのコピーにローカルに入力される。参加者間ではデータの代わりに抽象的なパラメータのみが交換される。各企業はデータを他社に開示することなくAIに提供できる。

一つ問題が残る。ある参加企業がプロジェクトから離脱する際、そのデータとパラメータはAIモデル内に残る。これらをブラックボックスであるAIから、予測やシミュレーションの品質を損なうことなく取り除くことは、これまでほとんど不可能であった。

今回、ドルトムントのフラウンホーファー・ソフトウェア・システム技術研究所(ISST)は、富士通研究所と共同で、分散・連携型AI協働に対応するアンラーニングという解決策を開発した。この手法では、段階的なAI学習プロセスの履歴を遡り、当該企業がデータを入力した時点まで戻る。その地点から、離脱企業のデータを用いずにAIの学習を再開する。この方法により、離脱企業のすべての情報とデータはAIから完全に除去される。さらに、再学習は既存のパラメータを活用することで初回より効率的に実施される。

この方法の利用シナリオとしては、製造業における機械の運用が想定される。例えば複数の企業が同一モデルのフライス盤を異なる方法で使用すると、AIの学習には多様なデータが入力される。ある企業はモーター故障時のデータを提供し、別の企業はフライスヘッドが破損時にデータを提供する。

これによりAIは実運用において、モーターの過熱時期やフライスヘッドの負荷限界を事前にシミュレーションできる。これらの成果はすべての参加企業に利益をもたらす。富士通研究所のプロジェクトパートナーであるハーバー(Janosch Haber)氏は「従来の学習手法では、参加者の離脱はモデルの完全な再学習を意味し、その間はシミュレーション品質が大きく低下していた。本手法では、この品質低下の大部分が回避され、高品質なモデルを迅速かつ効率的に再構築できる。参加者の離脱による悪影響は通常ほとんど見られない」と述べた。

この方式により、企業は懸念なく共同プロジェクトに参加できる。課題解決や高品質な製品開発に向けてAIの大きな潜在力を活用できる。また、企業はプロジェクトから離脱する際、自社データを残さずに退出できる。これは、EU一般データ保護規則のようなデータのような規制に従う企業にとって有用である。本技術のデモンストレーターは2026年4月のハノーバー・メッセで公開される。

[DW編集局]