[本文]

国・地域名:
フランス
元記事の言語:
フランス語
公開機関:
高等教育・研究・宇宙省(MESRE)
元記事公開日:
2026/05/13
抄訳記事公開日:
2026/06/09

土壌の健康保全へ 優先研究プログラム「SolsVivants」始動

PEPR SolsVivants : comprendre les interactions dans les sols pour agir

本文:

(2026年5月13日付、高等教育・研究・宇宙省(MESRE)の標記記事の概要は、以下のとおり)

土壌の健康に焦点を当て、生態学と土壌科学の基礎研究を動員する政府の優先研究プログラム(PEPR)の一つとして「SolsVivant」(ソル・ヴィヴァン:生きた土壌)プログラムが、4月19日に立ち上げられた。

◇「土壌の健康」とは?

土壌とそこに宿るすべての生命は、私たちの日常生活に不可欠である。土壌は食料を生み出し、水をろ過し、炭素を蓄え、気候の調整にも貢献している。しかし、特定の人間活動や気候変動によって脆弱化している。

「SolsVivants」は、土壌が健全に機能する上で生物(微生物、土壌動物相、植物など)が果たす役割をより深く理解し、その重要な機能を保全し、その変化をより的確に予測することを目的としている。

土壌の健康とは、生きた生態系として持続的に機能する能力であり、植物生産を支え、生物多様性を維持し、栄養素を循環させ、水と気候を調整することである。健康な土壌とは、生物が存在し、適切な物理構造を保ち、撹乱に対してもレジリエンスを有する土壌でもある。

しかし土壌の健康は、土地の人工化と浸食、集約的な農業手法(耕起、投入資材)、汚染(重金属、農薬)、気候変動、生物多様性の喪失という複数の要因がしばしば複合することによって損なわれる。

これらの圧力は、土壌生物やその機能の中心にある生物学的相互作用に影響を与える。

◇「SolsVivants」の課題

このプログラムは、土壌の機能と、その中で生物多様性が果たすその役割について確かな知識を生み出すことを目的とした、基礎的かつ統合的な研究プログラムである。

国立農学・食料・環境研究所(INRAE)と国立科学研究センター(CNRS)は、研究にかかわるプロクラムの実務を担当し、研究機関、大学・工学系教育機関、パートナーである農業技術研究所の調整を行う。

プログラムは、生命科学(生態学、農業生態学)と環境科学の接点における革新的かつ学際的な研究アプローチを支援することで、フランスの土壌科学界の構築と強化に寄与する。

政府重点投融資計画「フランス2030」の一環として資金提供される予算は、5年間で900万ユーロである。また参加研究ユニットは48、パートナーは27機関となる。

PEPRでは、特に博士課程学生およびポスドクの採用を通じて、フランスの研究力を強化し、土壌の生物学的および生態学的機能の研究を専門とする科学者の育成に貢献する。

◇土壌の相互作用と機能の理解を深める

このPEPRは、以下2件の重点プロジェクトを掲げている。

一つは、土壌中の相互作用ネットワーク、すなわち生物(微生物、土壌動物相、植物)間のすべての関係に関わるもので、栄養的相互作用(捕食、植食、腐食などの食物関係)や非栄養的相互作用(土壌の生態系エンジニア生物による生息環境の促進、競合、改変)を含む。目的は、これらのネットワーク構造を特徴づけ、土壌群集を調節する主要な相互作用を特定することである。

もう一方は、これらの生物的相互作用が、土壌の多機能性、すなわち土壌が複数の生態系機能を同時に果たす能力にもたらす影響に焦点を当てる。プロジェクトは、土壌構造の形成と、そこから生じる水、溶質、土壌粒子の移動過程、および炭素、窒素、リンなどの生物地球化学的循環に関わる変換という二つの側面に焦点を当てる。

[DW編集局]