[本文]

国・地域名:
フランス
元記事の言語:
フランス語
公開機関:
高等教育・研究・宇宙省(MESRE)
元記事公開日:
2026/04/24
抄訳記事公開日:
2026/06/10

政府、持続可能な畜産への移行を支援する優先プログラムを開始

PEPR Elevages durables : un programme pour accompagner la transition

本文:

(2026年4月24日付、高等教育・研究・宇宙省(MESRE)の標記記事の概要は、以下のとおり)

現在、畜産は環境、衛生、経済の側面における課題に直面し、大きな変革が迫られている。本年3月1日に開始された優先研究プログラム(PEPR)「持続可能な畜産」は、全ての動物生産部門を対象とする、畜産に完全に特化した初の全国規模のPEPRである。

◇持続可能な畜産とは?

「持続可能な畜産」とは、複数の重要な目的を両立する動物生産システムであり、質の高い食料を生産しながら、環境を尊重し、動物の健康と福祉を保証するとともに、人間の健康も考慮するものである。さらに、畜産農家に長期的に実行可能な経済条件を確保することも不可欠である。

具体的には、天然資源への影響を抑え、生物多様性を促進し、温室効果ガス排出を削減する農業慣行につなげる。社会面では、特に動物福祉や製品の品質に関する市民の期待に応え、経済面では農業経営の持続性を保証することを目指す。

「持続可能な畜産」は単一のモデルではなく、地域、動物種、地域の状況に適応した多様な実践に基づく。これは、しばしばアグロエコロジーと呼ばれる統合的アプローチの一部であり、農業システムを公正するさまざまな要素間の自然なバランスや相互作用を、より活用しようとするものである。

◇「持続可能な畜産PEPR」による新たな生産方法

主な目的は、フランスの畜産をより持続可能なモデルへ移行させるために、科学的知見を生み出すことである。また、将来の課題に適応した強靭な農業生産を保証することを通じて、フランスの食料主権の強化にも寄与する。

このPEPRでは、「フランス2030」の一環として5年間にわたり4,500万ユーロが
支援され、国立研究機関、公的機関、大学、農学・獣医系高等教育機関、技術研究所などを含む15の資金提供パートナーが関わり、相互に連結した6件の対象プロジェクトが設けられている。

このプログラムは国立農学・食料・環境研究所(INRAE)が設置するプログラムセンター「Agralife」が主導する。食品環境労働衛生安全庁(ANSES)、開発農業研究国際協力センター(CIRAD)、国立獣医学校、国立開発研究所(IRD)、国立海洋開発研究所(IFREMER)、技術研究所も参加する。ガバナンスは、INRAEの研究ディレクターが主導し、4人の副ディレクターらが補佐する。

◇主要6プロジェクト

プロジェクト1は、動物福祉と健康に焦点を当て、望ましい畜産慣行を特定し、その変革を支援するとともに、動物福祉を優先課題とする革新的システムを設計する。

プロジェクト2は、環境保全に焦点を当て、より生態系を尊重した畜産システムの設計方法を探求し、特に生物種の多様性、作物栽培と畜産の相補性、飼養密度の管理を生かす。

プロジェクト3、4、5は、感染症予防に特化し、地球規模の変化に直面する病原体の適応をよりよく理解し、衛生上のリスクを予測することを目的とする。また、監視、予防、公共機関の意思決定支援のためのツールの開発も目指す。

最後のプロジェクト6は、畜産の社会経済的な実行可能性に焦点を当て、将来の農業食品システムにおける畜産システムの可能な道筋を探るとともに、経済、社会、政治の側面を、より技術的アプローチに統合する。

◇新たな形でイノベーションを進めるためのインフラ

以上のプロジェクトに加え、研究プラットフォームへの資金提供も行う。中でも動物オルガノイド・プラットフォーム「オルガノズー(Organozoo)」は、動物実験の代替手段の開発を目指す。その他、屋外飼養をさらに研究するため、また病原体を安全に扱うための研究インフラの適応に関する取り組みもある。さらに、科学的協力と知識共有を強化するため、これらのインフラを国内および欧州のネットワークに組み込むことも目指す。

[DW編集局]