[本文]

国・地域名:
ドイツ
元記事の言語:
ドイツ語
公開機関:
ドイツ連邦経済エネルギー省(BMWE)
元記事公開日:
2026/05/20
抄訳記事公開日:
2026/06/30

連邦政府、ハイテク・アジェンダのロードマップを経済界・アカデミア・各州と実施へ

Bundesregierung: Roadmaps der Hightech Agenda Deutschland starten in die Umsetzungmit Wirtschaft, Wissenschaft und Ländern

本文:

(2026年5月20日付、ドイツ連邦経済エネルギー省(BMWE)の標記発表の概要は以下のとおり)

連邦政府は5月20日の閣議で、ハイテク・アジェンダ(HTAD)の鍵となる技術についてのロードマップを公表した。HTADは競争力、価値創造、技術主権の強化に向けた連邦政府のイノベーション政策の中核となる構想である。一年足らず前にHTADが決定されて以降、76にのぼる旗艦施策の半数近くが既にスタートした。同日公表された技術ロードマップにより、連邦政府はHTADの実装に向けた次の段階へと進む。

HTADロードマップの基盤となるのは、連邦政府が2026年1月から4月にかけて実施した26回にのぼるパートナー対話である。この期間、関係省庁、各州、アカデミア、経済界、その他の関係者が共同して各技術の発展経路について議論した。これに基づき、ロードマップは省庁横断の緊密な調整の下で作成され、今後、経済界、学術界、各州とともに実施され、定期的に改訂されていく。

鍵となる技術についてのロードマップの内容は次のとおり。

・人工知能(AI):ドイツは欧州のパートナーと協力して、世界を牽引するAI拠点となり、産業用AIとAIベースのロボット技術の先導市場となることを目指す。ドイツ連邦研究技術宇宙省(BMFTR)は「AIロボティクス・ブースター」により、フィジカルAIを独自の重点分野とした。

・マイクロエレクトロニクス:ロードマップはBMWEとBMFTRが共同して策定し、2025年に閣議決定された「連邦政府マイクロエレクトロニクス戦略」を大きな基盤としている。中核となる目標は、ドイツにおけるチップ設計能力の拡大、研究室から産業利用への移転の加速、成長するチップ市場における市場占有率の拡大、サプライチェーンの強靭性の強化である。新規チップ工場、パイロットライン、公募によるチップ設計能力センターにより、ドイツをチップ設計拠点にする。

・量子技術:2030年までに欧州最先端レベルの誤り訂正型量子コンピューターを2台、実現する。同じく2030年までに量子センサーを医療分野で実用化する。これにより、病状が目に見えるはるか以前に疾患を発見できるようになる。研究用衛星から光ファイバーネットワークの量子リピータに至る量子通信により、サイバーセキュリティは新たな物理的基盤を獲得する。

・バイオテクノロジー:2028年までに、個別の患者に対応したmRNAを利用したがん免疫治療の認可を目指す。同年、ベルリンに遺伝子・細胞治療センターがオープンする。同センターはBMFTRが2035年までに最大1億ユーロを支援し、最大20のスタートアップが新たな治療方法の開発に携わることができる。

・核融合:世界初の商用核融合発電所をドイツに建設することを目指す。これにより既にレーザー、磁石、材料研究において新たな価値創造と雇用が生まれている。

・バッテリー:ミュンスターのバッテリーセル研究製造施設において、2025年12月に初めて欧州の一貫したプロセスチェーンに基づく実用リチウムイオン・バッテリーが生産された。ナトリウムイオン・バッテリーのような新たなセル化学は、課題となっている原材料への依存度も低減する。

ロードマップは実際に活用される作業文書として作成された。今後も実施パートナー、関係者、社会の人々との協力の下でさらに発展していく。同日、そのための中心的な形式となるオンライン協議が開始された。その他のロードマップも計画中であり、例えば水素に関わるロードマップの作成が開始されている。

[DW編集局]