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- 国・地域名:
- ドイツ
- 元記事の言語:
- ドイツ語
- 公開機関:
- ドイツ工学アカデミー(acatech)
- 元記事公開日:
- 2026/07/09
- 抄訳記事公開日:
- 2026/08/17
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防衛能力は限定的:ドイツは必要なイノベーション力はあるが、活用には仕組みが必要
- 本文:
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(2026年7月9日付、ドイツ工学アカデミー(acatech)の標記発表の概要は以下のとおり)
ドイツは自国の安全保障を強化する上で、研究開発の潜在力をほとんど活用できていない。民生イノベーションを防衛能力に生かし、逆に軍事技術の進歩を民生利用するための統括体制と仕組みが不足している。ドイツ工学アカデミー(acatech)が本日発表した報告書は、この実態を示している。シュミット(Christoph M. Schmidt)副会長とエッカート(Claudia Eckert)会長が編者を務めた同報告書は、民生・軍事両分野のイノベーションを連携させるため、切れ目のない省庁横断的なイノベーション・調達経路などを提言した。
最大の問題は、安全保障政策をめぐる状況が変化したにもかかわらず、ドイツでは民生用と軍事用のイノベーションシステムが構造的に分断されたままであることだ。「AI、宇宙開発、センサー、サイバーセキュリティ、先端材料におけるイノベーションは、民生・軍事の両用途にとって等しく重要だ。それにもかかわらず、私たちはこうした多用途技術を、別々の研究、助成プログラム、異なる資金調達手段によって構造的に分けて扱っている」とシュミット副会長は語る。
この分断は特に新規参入企業が安全保障関連の解決策を持ち込むことを難しくしている。従来の防衛企業は資本の蓄えと政府の長期調達契約に支えられているが、スタートアップや中小企業、応用志向の研究にはそのような保障がない。「研究から実用化への移転、経済的な規模拡大までの間に、ドイツではあまりにも多くのイノベーションが失われている。これは各部門が十分に連携していないシステムの結果だ」とシュミット副会長は続ける。連邦軍サイバー・イノベーション・ハブ、飛躍的イノベーション機構(SPRIN-D)、地域の防衛クラスターなど、スタートアップ、科学界、連邦軍を結ぶ取り組みはすでにあるが、成功したパイロット事業を通常の調達へ確実に移行させる仕組みが必要だとしている。
報告書は、軍事調達が短期間で入手できる解決策に偏れば、革新的だが未成熟な技術が犠牲となり、長期的なイノベーション能力が損なわれると警告する。商用化前の調達、現実に近い環境での早期試験、市場との継続的な対話を活用し、連邦軍が需要側として早期に関与して、固定的な事前仕様ではなく反復的に開発することで、スタートアップや中小企業の参入障壁を下げられるとしている。
また、民生分野の関係者にとって、研究セキュリティの確保という避けられない要件が新たな参入障壁になっていると指摘する。リスクに応じた指針がないため、研究セキュリティは官僚的な追加負担と受け止められている。エッカート会長は「軍事研究と民生研究の連携が強まっても、開かれた科学システムは危険ではなく、私たちの最大の戦略的資源だ」と語る。
国民は安全保障問題について政治的対応が必要だと考えている。78%が防衛能力の確保を重要とみなし、74%がサイバー攻撃を防ぐ技術への支援に賛成している。過半数の51%は、軍事防衛に利用できる大学研究を支持している。エッカート会長は、社会には受け入れる用意がある一方、それを生かすための構造的条件が整っていないとし、「安全保障に関連する多用途研究とその支援、さらに民間経済と防衛分野への応用に向け、切れ目のない明確な仕組みが必要だ」と語る。
[DW編集局]