[本文]
-
- 国・地域名:
- ドイツ
- 元記事の言語:
- ドイツ語
- 公開機関:
- フラウンホーファー協会(FhG)
- 元記事公開日:
- 2026/08/28
- 抄訳記事公開日:
- 2026/09/30
-
産業の原動力となるイノベーションの自由:技術移転へ法律制定を伴わない迅速な措置実施を要請
- 本文:
-
(2026年8月28日付、フラウンホーファー協会(FhG)の標記発表の概要は以下のとおり)
ドイツの研究力が持続的なイノベーション、価値創造、技術主権を生み出せるかどうかは、政治・規制上の枠組みが産業への技術移転を加速できるかにかかっている。連立協定に明記された「イノベーションの自由推進イニシアチブ」は、研究成果を産業の価値創造へつなげ、ドイツの競争力を強化する。FhGとドイツ産業連盟(BDI)は共同ポジションペーパーで、特に法律制定を伴わない措置による迅速な実施を求めた。
ドイツでイノベーションが大規模展開され、経済的効果を生み出すかどうかは、規制上の枠組みに大きく左右される。イノベーション自由法は、科学的知見をより迅速に産業の価値創造、雇用、技術主権につなげる決定的な競争力強化策である。卓越した研究だけでは十分ではなく、そこから何が生まれるかが重要となる。そのための手段の多くは、新たな支援プログラムではなく、法律の下位に位置する規則の領域にある。手続きの簡素化、規制の現代化、責任の所在の明確化、支援条件の統一が必要となる。
研究成果から産業規模での展開に至るまでの時間に、時間とイノベーションの潜在力が失われている。この「死の谷」を克服するため、研究機関には、産業界が十分な生産能力を構築するまで、実証設備、パイロット設備、限定的な試作生産や小規模生産を行える裁量が必要である。これにより市場での検証が加速し、企業の開発リスクが軽減され、新技術を導入しやすくなる。併せて、世界の動向を早期に把握し、戦略的判断につなげる国家的知的財産戦略と国家技術モニタリングも必要となる。
長期に及ぶ支援手続き、連邦と州で異なる規則、手続き上の媒体間の分断がイノベーションを妨げている。支援決定までの期間の短縮、支援条件の標準化、手続き全体のデジタル化が求められる。研究機関と企業が事務処理に費やす時間を減らし、イノベーションにより時間を充てられるようにすべきである。人工知能(AI)の応用や健康データなど、研究・イノベーションに関係するデータ利用も、現行の欧州の枠組みの中で、統一的な解釈、標準的手続き、法的確実性を備えた実証環境により容易にする必要がある。
イノベーションの自由は、科学界、産業界、政界が共同で取り組んで初めて実現する。提案された法律制定を伴わない措置を迅速に実施すれば、新たな財政負担を生じさせずに大きな経済的活力を引き出し、イノベーション拠点としてのドイツを持続的に強化できる。今後、イノベーション政策の成果は、何よりも市場投入までの期間の短縮によって評価される。
[DW編集局]