[本文]

国・地域名:
ドイツ
元記事の言語:
ドイツ語
公開機関:
ヘルムホルツ協会(HGF)
元記事公開日:
2016/12/07
抄訳記事公開日:
2017/01/25

医薬品研究における新しい方向性

Neue Wege in der Medikamentenforschung

本文:

ヘルムホルツ活性物質研究イニシアチブが関係者をハイデルベルクのドイツがん研究センター(DKFZ)における会議に招待。これに関してDKFZは概略下記のような報道発表を行った。

新薬への需要はこれまでになく高くなっている。人口の高齢化が進み、がん、糖尿病、認知症等の国民病に対する新薬への需要は増加し続けている。これまで新薬開発はほぼ独占的に製薬企業によって行われていたが、今日では研究機関においてなされることが増えている。このためヘルムホルツ活性物質研究イニシアチブは初めて公開会議を開催することになった。

会議の発起人の一人であるDKFZのミラー博士(Dr. Aubry Mille)によると、「医薬品産業はここ数十年の間に新薬研究の早期フェーズから撤退してしまった。今日では革新的な物質を開発するため、企業はアカデミック研究機関との新しい協力モデルにますます頼るようになっている。このため大学やヘルムホルツ協会のような基礎研究機関がますます重要な役割を果たすようになっている」。

アカデミアおよび産業界から約190人がヘルムホルツ協会の活性物質研究イニシアチブの招待により意見交換を行い、新戦略に関して議論した。

現在重要な抗生物質の多くは耐性菌によって効果が無くなっており、代替の新薬発見が急がれる。例えば、ヘルムホルツ・海洋研究センターGEOMAR(キール)のタスデミール博士(Prof. Dr. Deniz Tasdemi)は多様な海洋微生物が抗生物質としての効果をもつ新しい物質を生み出すのに有望であると見ている。

[DW編集局]