[本文]

国・地域名:
オランダ
元記事の言語:
英語
公開機関:
オランダ科学研究機構(NWO)
元記事公開日:
2016/12/12
抄訳記事公開日:
2017/01/26

エネルギー研究のための計算科学(CSER)イニシアティブ

The Computational sciences for energy research (CSER) initiative

本文:

オランダ科学研究機構(NWO)の2016年12月12日付のニュースで、標記の記事が掲載されている。以下にその概要をまとめる。
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オランダ科学研究機構(NWO)および物質基礎研究財団(FOM)は、2012年にロイヤル・ダッチ・シェルと共に、エネルギー分野の基礎研究に関する大規模な官民共同パートナーシップをスタートさせた。ロイヤル・ダッチ・シェルとNWOがそれぞれ現金で約2,000万ユーロを投資し、さらにオランダエンタープライズエージェンシーの「TKI-toeslag 」からの投資も加えて、総予算5,000万ユーロがこのパートナーシッププログラムに確保された。プログラムの対象は、エネルギーや化学という上位優先部門の研究テーマであり、投資金はオランダの大学における75人の博士号(PhD)取得者への支援に用いられている。

プログラム予算の大部分はCSER PhDプログラムに充当され、2012年から2015年にかけて実施された一連の公募に割り当てられた。このイニシアティブにロイヤル・ダッチ・シェルが投資した重要な背景には、インドのバンガロールにある自社の技術センターにおける計算科学者の採用プールとしてこのプログラムを利用したいという考えがある。プログラムの残りの予算は、NWOが掲げるテーマ「再生可能エネルギー」の「スマート・エネルギー・システムにおける不確実性の低減(Uncertainty reduction in smart energy systems)」や「CO2ニュートラルな燃料(CO2-neutral fuels)」といったプログラムに充てられ、別途公募が実施された。

NWOはPhDプログラムの他に、オランダの知識インフラに約700万ユーロを投資しており、その大半は、オランダの計算科学に継続的な貢献を果たすことを目的として実施された、計8のテニュアトラックポジションの募集に充てられた。

エネルギー研究のための計算科学(CSER)イニシアティブには、FOMや物理学、化学、社会科学、地球生命科学、さらにオランダ技術財団(STW)などNWOの様々な部署が関与している。計算科学に関連した多様な分野がこうして協力することで、CSERを独自のかたちで長期的に後押しすることができるようになり、またロイヤル・ダッチ・シェルとNWO/FOMが手を結んだ今回のイニシアティブは、オランダとインドの研究者の関係をさらに強化する役割も果たす、としている。

[JSTパリ事務所]