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- 国・地域名:
- 米国
- 元記事の言語:
- 英語
- 公開機関:
- エネルギー高等研究計画局(ARPA-E)
- 元記事公開日:
- 2016/12/15
- 抄訳記事公開日:
- 2017/02/01
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新規研究開発プログラム(2件)に7000万ドルの投資
- 本文:
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2016年12月15日付の米国エネルギー高等研究計画局(ARPA-E)による標記に関する発表の概要は以下のとおりである。
ARPA-Eは、「高エネルギー密度液体を利用した再生可能エネルギーの燃料化(REFUEL)」と「地上隔離を最適化する根圏観測(ROOTS)」という2つの最新の研究開発プロジェクトのために、最大7000万ドルの資金を調達する。REFUELプロジェクトは、水、大気中の分子、再生可能エネルギーからの電力を利用して、輸送やその他用途のための高エネルギーの液体燃料を生産するものである。また、ROOTSプロジェクトは、農家が大気中の炭素分子を捉えて効率よく根に貯蔵する作物品種を選択するようセンシング技術を開発し、増大している土壌の炭素負債問題に取り組むものである。
ARPA-Eディレクターのエレン・D・ウィリアムズ(Ellen D. Williams)は「ARPA-Eは幅広い分野をカバーし、より良いエネルギーの未来を構築するために大胆な考え方を必要とするようなプログラムに投資していく。 REFUELが目指す一般的に利用可能な分子から燃料を作り出す方法は、我々が自動車やトラックに動力を与える方法を大幅に変える可能性があり、ROOTSは土壌に炭素を閉じ込める作物を見つけ、高価で炭素排出量の多い肥料の需要を減らすのに役立つ。」と述べている。
今日の輸送で使用される液体燃料のほとんどは、石油に由来し、内燃機関で燃焼されている。これらの高密度エネルギー燃料は現在のところ経済的だが、一部を輸入された石油に依存しており、高度に炭素集約的である。REFUELプログラムのプロジェクトは、水、窒素および二酸化炭素をエネルギー密度の高い炭素中性液体燃料(CNLF)に変換し、必要に応じて電気または水素燃料に戻す大規模な技術を開発する予定である。
REFUELプログラムは、16プロジェクトに対して3,500万ドルを投資し、輸送燃料の国産化を加速し、再生可能エネルギー源のグリッドへの統合を可能にし、グリッドレジリエンスとアメリカのエネルギー安全保障の向上を目指す。
特殊な植物品種は、土壌の品質向上、灌漑の必要性の低減、肥料使用の削減を農家にもたらし、加えて、大気中の二酸化炭素の量を劇的かつ経済的に削減することができる。これらの植物を改良し土壌の炭素貯蔵量を増加させることは、大気から二酸化炭素を除去して経済的ポテンシャルを高める新たな機会となる。農業の進歩により、過去1世紀に収穫量が10倍に増加したが、土壌の品質が低下し、健全な作物を育成する能力が低下している。
ROOTSプログラムは、炭素の吸収を50%増加させるとともに、亜酸化窒素の排出を50%削減し、水生産性を25倍向上させる作物を開発する10プロジェクトに対し、3500万ドルを提供する。
[DW編集局+JSTワシントン事務所]