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- 国・地域名:
- 中国
- 元記事の言語:
- 中国語
- 公開機関:
- 中国科学報
- 元記事公開日:
- 2016/12/18
- 抄訳記事公開日:
- 2017/02/01
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2016年の重大科学ニュース、中国科学院の数多くのの研究成果が入選
- 本文:
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2016年12月18日付の「中国科学報」ネット版は、「2016年の重大科学ニュース、中国科学院の数多くの研究成果が入選」と報じた。本記事ではその概要をまとめる。
12月16日、英ネイチャー誌は「2016 in news: The science events that shaped the year」というテーマで、2016年に重大な影響を生んだ科学ニュースを発表した。そのうち、中国科学院による数多くの重要な科学技術成果が選ばれた。
◆宇宙事業:
一、8月には中国が世界初の量子科学実験衛星「墨子号」の打ち上げに成功し、衛星・地上間の量子通信を実現した。
二、9月に貴州省で世界最大の電波望遠鏡、500メートル口径球形電波望遠鏡(FAST)の建設が完了した。
三、11月には中国が新世代の巨大運搬ロケット「長征五号」の打ち上げに成功した。四、10月〜11月には中国の宇宙飛行士2人が宇宙実験室「天宮二号」に30日間滞在し、中国の宇宙探査任務の最長記録を生み出した。
◆遺伝子技術:中国は遺伝子組換えツール「CRISPR-Cas9」のゲノム編集技術で、急速な発展を続けており、ネイチャー誌の予測によると、今後、米国と中国はこの技術を基に、臨床治療の応用において更に多くの協力の展開が見られる。
◆気候変動:2016年11月4日、200の国家と地域の努力により昨年のCOP21(第21回締約国会議)で採択されたパリ協定が発効した。パリ協定の合意では、米中両国が積極的な役割を果たした。
◆中国科学院による数多くの重要な科学技術成果:
一、中国科学院が自主開発した世界初の量子科学実験衛星は中国科学院・宇宙科学先導特別プロジェクト第1陣の科学実験衛星の一つである。その主な科学的な目標は衛星・地上間高速量子暗号通信実験と広域量子暗号ネットワーク実験を行い、宇宙スケールで量子もつれ通信・量子テレポーテーション等の実験研究を展開し、世界で始めて衛星と地上の間の量子通信を実現して、宇宙と地上を一体化した量子秘密通信と科学実験システムを構築することが期待される。
二、中国科学院国家天文台が設計、建設した球面電波望遠鏡(FAST)が9月に竣工した。これは中国が独自の知的財産権を持つ世界最大口径で、最も感度の高い電波望遠鏡である。世界の類似の設備に対して、今後20−30年にわたり世界一流の設備の地位を維持することができ、国際電波天文学研究と学術交流の中心となる。FASTが基礎研究等の多くの領域における新たな発現とブレークスルーを実現し、宇宙探査等の関連ハイテクの発展及び国際科学技術協力の展開に一流のイノベーションプラットフォームを提供できる。
三、有人宇宙船「神舟十一号」と成功にドッキングした「天宮二号」宇宙実験室は9月15日に打ち上げられた。これは中国初の真の意義での宇宙実験室である。中国科学院空間応用工学技術センターは、空間応用システムの牽引役として、宇宙科学、地球科学観測・地球科学研究、空間応用新技術等の3大分野の14件すべての科学実験を担当し、世界初の冷原子時計、ブロードバンド(広帯域)イメージング・スペクトロメータ、宇宙高等植物栽培実験等が行われる。主要な科学実験プロジェクトの研究レベルと技術発展は世界で先頭に立っている。
四、ジカウイルスの流行は2016年の疫病の一つの焦点となり、世界の研究チームがジカウイルスの研究を展開し、中国科学院微生物研究所等もジカウイルスの研究において一連の重要な成果を遂げた。 [JST北京事務所]