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- 国・地域名:
- 中国
- 元記事の言語:
- 中国語
- 公開機関:
- 中国科学報
- 元記事公開日:
- 2016/12/07
- 抄訳記事公開日:
- 2017/02/03
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湖南省、科学技術による強省に関する実施意見を発表
- 本文:
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2016年12月7日付の「中国科学報」ネット版は、「湖南省、科学技術による強省に関する実施意見を発表」と報じた。本記事ではその概要をまとめる。
12月6日、湖南省科学技術イノベーション大会及び湖南省科学技術協会・第10回全省代表大会が長沙で開催され、中共湖南省委員会・湖南省人民政府、イノベーション型の駆動と発展戦略建設を全面的に実施する「科学技術による強省に関する実施意見」を発表した。同意見によると、2020年までに全セクターの研究開発経費がGDPに占める比率を2.5%、科学技術イノベーション総合実力は全国トップ10入りを目指し、2030年までに全セクターの研究開発経費がGDPに占める比率を2.8%に押し上げ、全国イノベーション型省市で上位となることを目指す。
湖南省の杜家豪省委書記は、「湖南省は科学技術イノベーションを核心とする全面的な革新の推進に力を入れ、知能製造、ライフサイエンス、新材料等の分野における複数の重大な影響力を持つ科学技術イノベーション成果を挙げるように努力し、ハイテク産業のほか、生活ニーズに向け科学技術進歩の成果と実益を全国民が共有する。次の段階で、湖南省は管理、製品、プラットフォーム人材等の4大イノベーションを推進し、来年も『工業新興優勢の産業チェーンの推進に関する行動計画』を始動する予定である」と表明した。
同意見には重点領域の技術イノベーション、企業技術イノベーション、ハイテク人材蓄積、イノベーションサービス体系、地域イノベーション体系配置、双創(大衆創業、万衆創新)、軍民融合、知的財産権、体制メカニズム改革、科学技術イノベーション投入メカニズム、開放協力等の多方面の内容が含まれる。
そのうち、人材政策について、以下の概要の通りに記述している。
一、湖南省重点産業の発展に合致した一流・トップ人材チームとの重大プロジェクトの実施、イノベーションプラットフォーム構築等の方面で各研究チームに1000万元(約1.7億円)以上の資金を援助する。
二、大学、科学研究機構において人材特定プログラム編制使用制度を試行し、科学技術人員の兼職、退職創業等を支援する。
三、大学で兼職した企業科学技術人員、民営企業従業員、フリーターに役職評価権を適合する。
四、科学研究機構、大学による専業化技術移転機構と専業化技術移転人材チームの創設を支援する。多元化による研究開発資本投入の体系構築について、科学技術イノベーション分野における政府と民間資本という新たな官民協力方式(PPP)を試行・探求する。
今後、湖南省は地域の重大科学技術プログラム、人材蓄積プログラム、イノベーション環境創設の重大プログラム、長株潭国家自主イノベーションモデル区の牽引プログラム等の4大プログラム(工程)を始動する見込み。
中国国家統計局等の部門はこのほど、「2014年全国科学技術経費投入統計公報」を発表した。中国が科学技術に投入した費用は米国に次いで世界で2番目に多いになったが、研究開発(R&D)への投入効果の格差が大きく、主に科学研究成果の転化率(※)は低いである。
公報によると、2014年の中国の科学技術経費投入額は引き続き増加し、全国の研究開発(R&D)費投入額は1兆3015億6000万元(約25兆円)に達した。
国家発展改革委員会・ハイテク産業司の孟憲棠副巡視員は、「中国の科学技術研究開発者数は米国の2倍、ロシアの4倍で、すでに世界一の科学技術マンパワー大国になった。しかし、世界の先進国と比べたら、中国の研究開発(R&D)への投入効果を今後向上する必要がある。中国の研究開発(R&D)への投入効果に影響する要因として、主に科学研究成果の転化は明らかに不足している。世界の先進国の科学研究成果の転化率は40%以上に達したが、中国のその比率は僅か10%である」と述べた。
今年、市場のニーズを指向し、企業の科学研究経費への投入を促進するために、国務院は「体制改革を深化させ、イノベーション駆動発展戦略の実施に関する若干意見」を発表した。
孟憲棠氏は、「ここ数年、中国が科学研究への資金投入を加速しており、中国の発明特許出願件数は世界1位で、中国の科学技術論文数は世界2位となったが、その科学研究は企業活動を通じてこそ、経済・社会の発展に貢献できる。中国では、その不足分は企業である」と表明した。
※成果転化率は、一定の期間内に、すでに運用されている科学研究成果が、科学研究成果の総数に占める比率を指す。
[JST北京事務所]