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- 国・地域名:
- 中国
- 元記事の言語:
- 中国語
- 公開機関:
- 中国科学報
- 元記事公開日:
- 2017/01/10
- 抄訳記事公開日:
- 2017/02/24
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2016年度国家科学技術賞、代表的な成果を示す
- 本文:
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2017年1月10日付の「中国科学報」ネット版は、「2016年度国家科学技術賞、代表的な成果を示す」と報じた。本記事ではその概要をまとめる。
1月9日、2016年度国家科学技術賞が発表された。この5年間で、国家自然科学賞、国家技術発明賞、国家科学技術進歩賞(3大賞)の受賞総件数は毎年減少し、特に2015年度と2016年度の総件数は300件以下である。つまり、量の拡大から質の向上へと変化し、受賞成果によって中国科学技術が「追随」から「先頭」へと変貌することを意味する。
以下、先頭への変貌を示す興味深い事例を紹介する。
一、重大成果によって受動的な局面を逆転:2016年度国家科学技術進歩賞特等賞は「北闘二号衛星測位システム」プロジェクトと、モバイル4G関連技術プロジェクトである。2004年8月、中国が独自開発した「北斗2号衛星測位システム」プロジェクトが始動し、8年間を経て、「北斗2号衛星測位システム」が2012年12月に運用開始となり、正式に中国及びアジア太平洋地域にナビゲーション、測位、リアルタイム、ショートメッセージ等の通信サービスを提供し始めた。国家科学技術奨励業務公弁室の関連責任者は、「モバイル4G、北斗2号衛星測位システムを始めとする複数の重大科学技術成果は、中国がコア技術と知的財産権で他国に依存するという受動的な局面を逆転し、世界の産業構造を再構築した。2016受賞成果、特に高等級賞の全体レベルを見ると、主要科学技術分野とその先導性において中国が高い地位にある。つまり、「追随」から、「並行」、「先頭」へと変化することを示している」と表明した。
二、科学知識の普及:「避けがたい食品添加物-食品添加物裏側のストーリー」という本は食品添付物の科学知識を普及し、大衆の誤解を解くために、国家科学技術進歩賞・一等賞を獲得した。
三、以下の3件のプロジェクトによる「西部地域に根を下ろし、地に足をつけて」プログラムが科学技術進歩賞を受賞した。
1.青海チベット高原三江源地域での草地生態系回復プロジェクト:地域の持続可能な発展に重要な意義を有する。
2.新疆ウイグル自治区エリアでの「風力発電網の鍵となるコントロール技術」プロジェクト:優位性がある当地の自然資源を基に、複数の技術的難題を突破し、風力発電の普及を推進した。
3. 新疆ウイグル自治区エリアでの「綿花生産全工程の機械化」プロジェクト:系統性があるキー技術の設備を開発し、綿花生産全工程の機械化を構築した。四、幾つかの大賞、国際認可を取得:
1. 2016年度国家最高科学技術賞の受賞者である屠呦呦(トウヨウヨウ)氏がマラリアの治療に用いる抗マラリア薬であるアーテミシニンを発見し、2015年のノーベル生理学・医学賞を受賞した。
2.国家自然科学賞一等賞:「大亜湾原子炉ニュートリノ実験で見つかった新たなニュートリノ振動モデル」プロジェクトは、米国「サイエンス」詩において、2012年度科学技術10大ブレークスルーに選ばれた。
3.国家科学技術進歩一等賞:「新世代国家時間周波数基準の鍵となる技術と応用」プロジェクトは、2014年に国際評価審査を得て、開発した原子時計が国際原子時計の標準時計に初めて認定された。
4.国家自然科学賞二等賞:「植物におけるマイクロRNAの機能と作用メカニズム」プロジェクトの関連論文は、国際ジャーナル「セル」において、2012年度ベスト論文の一つに選ばれた。 [JST北京事務所]