[本文]
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- 国・地域名:
- フランス
- 元記事の言語:
- フランス語
- 公開機関:
- 首相官邸
- 元記事公開日:
- 2013/10/30
- 抄訳記事公開日:
- 2013/12/05
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気候変動対策としての低炭素技術移転の強化と新たな方向付け
- 本文:
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首相官邸の戦略・将来展望統括室が発行する「Note d’Analyse No.06」(2013年)の標記記事の概要は以下のとおり。
「低炭素」技術の移転は、発展途上国の強い成長に求められる温室効果ガス排出抑制の達成にとってきわめて重要である。それを実行することが2015年の気候変動に関する世界協定合意の条件となる。本稿ではパリ国立高等鉱業学校(MINES Paris Tech)の産業経済研究所(CERNA)に委託した調査の主要な結果について述べる。この調査によると、中国、メキシコ、南アフリカとは異なりインドやブラジルでは、少しではあるが、低炭素技術移転の国際的な流れから取り残されている。またアジアの発展途上地域、アフリカ、東欧は、同じ理由で優先的対象地域である。
このような技術移転の強化には、高い目標を持った温室効果ガス排出削減政策の実行および技術の受入国側が吸収能力を備えていることが必要になる。現実にイノベーション能力を備え国際的な交易にも参入している新興諸国に対しては、知的財産権の強化および貿易や投資の障壁を低くすることを勧告すべきである。それとは逆に発展の度合いが低い諸国には、技術の吸収能力の形成、とりわけ相応の能力を有する人材の育成に焦点を置く必要がある。
本稿による主要なメッセージは次の3項目である。
・一部の新興国(中国、メキシコ、南アフリカ)のみが先進国からの技術移転ですでに著しく恩恵を受けている。逆にインド、その他の発展途上のアジア諸国、アフリカは、温室効果ガス排出削減能力に関する技術移転の受け入れが不十分である。特に発展の度合いが低い諸国では実際上このような取引が欠如している。
・発展途上国への技術移転を推進するには、目標を高く持った気候政策の実施および技術吸収能力の形成が必要不可欠である。
・新興諸国においては、知的財産権の強化により技術移転をさらに促進することができる。発展の度合いが低い諸国では、技術吸収能力の構築および補強に力点を置く必要がある。 [DW編集局+JSTパリ事務所]