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- 国・地域名:
- 米国
- 元記事の言語:
- 英語
- 公開機関:
- 米国科学振興協会(AAAS)
- 元記事公開日:
- 2017/01/28
- 抄訳記事公開日:
- 2017/03/10
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AAASが移民に関する大統領令に反論
- 本文:
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2017年1月28日付の米国科学振興協会(AAAS)による標記に関する発表の概要は以下のとおりである。
AAASは、トランプ大統領に対して、世界最大の科学者団体であるAAASと協議して、国家の安全保障を確保しつつ、才能のある国際的科学者達の自由な移動の必要性との間でバランスをとる方法を見出すように要求した。
1月27日にトランプ大統領は、7カ国(イラク、シリア、イラン、リビア、ソマリア、スーダン、イエメン)からのアメリカ市民権を有さない科学者および学生に対する90日間の入国禁止措置を行う大統領令を発令した。この大統領令の多大なる影響を鑑み、AAASのラッシュ・ホルト(Rush Holt)CEOは、米国は世界中の科学者や学生に対して扉を開いておく必要があるとの声明を発行した。
ホルトCEOは「科学の発展は、開放性、透明性、自由なアイデアの流れに依存しており、米国は、これらの原則のおかげで、国際的に有能な科学者を引き付け、その恩恵を受けて来た。」と述べた。さらに「世界最大の総合科学学会であるAAASは、科学者間の国際協力を一貫して奨励して来た。他方で、科学の進歩、国家の繁栄、国際的な安全保障には、安全で責任ある研究活動の醸成が不可欠であることを認識している。したがって、すでに米国を訪問するためのビザが受理、精査、処理され、そして承認された学生および科学者を拘留することは、学術および専門的利益を追求する科学の精神に反している。科学と経済が繁栄するためには、学生や科学者は自由に他の国の同僚と学びそして研究できる必要がある。」と主張した。
続けて、「2017年1月27日の大統領令は、国際的に最も有能で聡明な多くの留学生や科学者が米国で研究したり、学術会議や学会に出席するのを妨げるものである。本政策の実施は、国際的に有能な科学者を引きつけ、科学的および経済的リーダーシップを維持する米国の能力を損なうものである。国家安全保障上の利益を確保しつつ、米国の科学的リーダーシップを向上させるというバランスの取れた移民政策こそが米国の国益である。」と述べた。
最後に、「2001年9月11日の悲劇の後、国家安全保障のために移民および外国人旅行の制限が導入された際にも、AAASは他の団体と共に、ブッシュ政権と緊密に協力してバランスのとれたアプローチを助言している。AAASはトランプ政権に対しても同様の議論をするように求める。」と要請した。
[DW編集局+JSTワシントン事務所]