[本文]

国・地域名:
中国
元記事の言語:
中国語
公開機関:
中国科学報
元記事公開日:
2017/01/10
抄訳記事公開日:
2017/03/14

2016年、中国の研究開発人員数が24万人を超え、世界一位に

2016年我国研发人员总量居世界第一位

本文:

2017年1月10日付の「中国科学報」ネット版は、「2016年、中国の研究開発人員数が24万人を超え、世界一位に」と報じた。本記事ではその概要をまとめる。

1月10日、全国科学技術工作会議が北京で開催された。全国政治協商会議副主席、科学技術部の万鋼部長は工作報告を行い、「2016年中国の研究開発人員数が世界一位となり、24万人を超えた。全社会研究開発費(R&D)支出総額が15,440億元(約26.24兆円)に達し、GDPに占める比率が2.1%となり、うち企業支出が78%を超えた。全国技術契約の成約額は11,407億元(約19.39兆円)に達し、科学技術進歩貢献率も56.2%と増加し、イノベーション型国家建設は重要な進展を遂げた」と報告した。

以下、主な具体的成果や出来事を紹介する。

一、世界で公認された科学技術成果:精確に測定された高解像度「人類脳地図」を初めて作成、ジカウイルスのヒト由来の抗体とその作用メカニズムの発見、直径500メートルの世界最大口径の球面電波望遠鏡(FAST)の運用開始等は、中国の基礎科学研究の実力の向上及び先端基礎研究が「追随」加速から「先頭」、「牽引」へと変化することを示している。

二、国家戦略のハイテク面で幾つかの重大なブレークスルーを遂げた。そのうち、有人宇宙船「神舟11号」は宇宙実験室「天宮2号」とのドッキングを実現、中国次世代大推力ロケットである「長征五号」の初めての打ち上げ成功、世界初の量子科学実験衛星「墨子号」及び二酸化炭素観測衛星の打ち上げ成功、「悟空」暗黒物質粒子探査衛星の軌道上の1年間運行、自国製のチップを使用したスパコン「 神威太湖之光(Sunway Taihu Light)」による世界初の10京(京は1兆の1万倍)/秒の計算速度達成等が世界一位になったことである。

三、科学技術イノベーション:中国共産党中央委員会と国務院は2016年5月、「国家イノベーション駆動型発展戦略要綱」を公表し、「三歩で歩く」(第一歩:2020年までにイノベーション型国家の行列に入る。第二歩:2030年までにイノベーション型国家の前列に入る。第三歩:2050年までに世界科学技術イノベーション強国を作り上げ、世界の主要な科学センターとイノベーションの中心となる)というイノベーション発展目標を確立し、「二輪駆動イノベーション(科学技術イノベーションと政策イノベーション)を堅持、一つの体系を構築、六つの転換を推進」という戦略的配置を明確にした。科学技術部は初めにイノベーション駆動発展戦略のトップダウン設計を完成し、鍵となる領域の改革の面で実質的なブレークスルーを遂げた。

四、科学技術計画の管理改革:100件近くあった科学技術計画(特別プロジェクト、基金等)の最適化・整合性を基本的に完成し、科学計画の配置転換を初期的に実施した。具体的には、重点研究開発計画の重点特別プロジェクト(42件)と科学技術計画(1163件)の配置転換を始動し、プロジェクトの立ち上げ数は減少し、資金援助を顕著に増加させるなど、1プロジェクト当たりの総額を大きくした。

五、優遇政策の履行:登録登記されたハイテク企業が2.5万社に増加し、累計で10.4万社に達した。2016年、ハイテク企業所得税の減免金額が1,150億元(約1.95兆円)に達した。

六、科学技術の開放協力:第1回G20科学技術イノベーション部長会議を開催し、「G20科学技術イノベーション部長会議声明」と「一帯一路建設の推進に関する科学技術イノベーション協力特別企画」を発表し、成功裏に終わった。

七、2017科学技術業務の配置:1.重大科学技術プロジェクトの配置実施を加速する。2.国家実験室を牽引役として国家戦略上の科学技術力を構築する。3.基礎先端研究を持続的に強化し、独創性があるイノベーション能力を増強する。4.グローバル・イノベーションに参加し、科学技術イノベーションの国際化レベルを高める。5.鍵となる共有技術のブレークスルーを加速し、産業における技術の高度化を促進する。6.民生向け科学技術を大いに強化し、民生改善と持続可能な発展を促進する。7.科学技術成果の移転転化を更に進め、科学技術型イノベーション・業を推進する。8.地域イノベーションのプラットフォームを構築し、地域協同イノベーション発展を推進する。9.重点改革任務の実施を推進する。10.健全な奨励・運用メカニズムを構築し、科学技術人材と社会イノベーションをより鼓舞する。

[JST北京事務所]