政府科学局（GO-Science）の2017年2月2日付標記発表によると、ジョー・ジョンソン（Jo Johnson）科学担当大臣は、マーク・ウォルポート（Mark Walport）卿が英国研究・イノベーション機構（UK Research and Innovation: UKRI）の最高責任者（Chief Executive）に指名された旨発表した。概要は以下のとおり。

この任務においてウォルポート卿は、UKRIの設立を主導し、産業戦略の核心部分でUKRIが中心的な役割を果たせるようにする。「高等教育・研究法案」が国会で通過した後、UKRIは、7つの研究会議、Innovate UK、イングランド高等教育資金会議（HEFCE）の知識交流機能を一体化する単一の戦略組織として設立されることになる。

科学、研究、イノベーションは英国の持つ重要な能力であり、英国の研究・イノベーション・システムは世界のトップクラスにあるが、さらに効果的にする余地がある。上記高等教育・研究法第3編の目的は、政府が将来において全領域にわたる科学大国としての英国の地位を守ることができるように、法的権限および保護措置を整備することにある。議会に上程された案は、強力で機動的で一体化された英国の研究・イノベーション資金提供組織、UKRIを設立することである。

UKRIを通じて、ノーベル賞受賞科学者、ポール・ナース（Paul Nurse）卿の提言が実行に移されることになる。2015年11月に発表されたインディペンデント・レビューにおいてナース卿は、政府に対して、研究会議を支援してそれぞれの部分の総和以上の効果をもたらすように一体化し、さらなる応用研究への円滑な道筋を展開するように要求している。

UKRIは将来の課題に対して強力な戦略的アプローチをとり、研究・イノベーションに対する年間60億ポンド強の政府投資による価値と利益の最大化を実現する。UKRIは、多分野研究、学際的研究など現行の各ファンディング機関の主要権限の外にある分野横断的な課題により大きな重点を置き、迅速かつ効果的に現在および将来の課題に対応するシステムを可能にする。

[DW編集局]