[本文]

国・地域名:
中国
元記事の言語:
中国語
公開機関:
中国科学報
元記事公開日:
2017/04/10
抄訳記事公開日:
2017/06/05

2名のノーベル賞受賞者、実験室を香港中文大学(深セン)に設置

两诺贝尔奖科学家实验室落户港中大(深圳)

本文:

2017年4月10日付の「中国科学報」ネット版は、「2名のノーベル賞受賞者、実験室を香港中文大学(深セン)に設置」と報じた。本記事ではその概要をまとめる。

4月10日、2名のノーベル賞受賞者による実験室が同時に香港中文大学(深セン)に設置された。これは香港中文大学(深セン)が始めて設立したノーベル賞受賞者による研究院で、深セン市政府の誘致によりノーベル科学者の名前が付いた実験室となっている。この二つの実験室は、それぞれ2013年のノーベル化学賞受賞者であるアリー・ワーシェル氏(米南カリフォルニア大学教授)を筆頭に設立された香港中文大学(深セン)・ワーシェル計算生物研究院と、2012年のノーベル化学賞受賞者であるブライアン・コビルカ(Brian K. Kobilka, 米・スタンフォード大学教授)を筆頭に設立された香港中文大学(深セン)・コビルカ革新的な創薬とトランスレーショナル医療研究院である。

香港中文大学(深セン)は設立以来、3年に渡り世界で数多くの優秀な学者及び研究人員を誘致し、「ロボットとスマート製造国家地方共同工程実験室」、「ロボットとスマート製造研究院」、「深セン市ビッグデータ研究院」、「深セン高等金融研究院」等の国際的な科学技術イノベーションプラットフォームを構築した。

中国工程院院士、香港中文大学(深セン)の徐揚生学長は、「ノーベル科学者の名前を冠した実験室を設立したのは大学の研究発展の推進に対して遠大な計画で、世界一流の研究型大学に向けての重要な一里塚であることを意味する。科学研究と人材育成は切っても切れない関係で、研究院の研究開発は必ず大学と緊密な連携関係を持たなければならない。ノーベル賞受賞者を香港中文大学(深セン)で教授として科学研究及び授業等の業務に参与させ、学術研究成果を共有して、学生らに当該分野の再先端の情報をより知ってもらうようにする」と表明した。

深セン市科学技術イノベーション委員会の梁永生主任は、「ノーベル賞科学者実験室の設置は香港中文大学(深セン)及び深セン市の高等教育質を向上させ、数多くのハイレベル人材を誘致し、深セン市の未来発展に人材蓄積を提供して、龍崗及び深セン市の生命健康産業にイノベーションの扉を開ける」と指摘した。

香港中文大学(深セン)・ワーシェル計算生物研究院は世界で最も先進的な計算生物学研究センターの構築を目指し、深セン市のバイオ医薬産業とともに先端バイオ科学技術分野における技術研究を進めていく。香港中文大学(深セン)・コビルカ革新的創薬とトランスレーショナル医療研究院は天然薬物(薬用植物、抗生物質、生物化学薬物)、合成薬物及びゲノム創薬等に関して、医薬分野における各類基礎研究と応用研究を展開し、積極的に世界トップの製薬企業と協力を展開して、革新的な創薬の産業化を加速する。

[JST北京事務所]