[本文]
-
- 国・地域名:
- フランス
- 元記事の言語:
- フランス語
- 公開機関:
- 国民教育・高等教育・研究省(MENESR)
- 元記事公開日:
- 2017/04/05
- 抄訳記事公開日:
- 2017/06/05
-
高等教育・研究の現状 第10版(2017年度版)の公表①
L'état de l'Enseignement supérieur et de la Recherche en France n°10 - Avril 2017
- 本文:
-
国民教育・高等教育・研究省(MENESR)は2017年4月5日付で標記資料を公表した。この文書の中から研究への資金配分に関する部分の概要を以下に抜粋して示す。
・フランスにおける研究開発の取り組み
国内研究開発支出(DIRD)はここ15年来、年平均1.6%のペースで伸びた。この伸びは主として企業の国内研究開発支出の活力(年平均1.9%)によるものである。2014年のDIRDは国内総生産の2.24%を占め、479億ユーロであった。企業は国内で実施された研究開発業務の65%を実行し、国の研究開発支出の61%に出資した。・国内研究開発支出
2014年は6研究部門(自動車、航空、製薬、特定業務、科学技術、IT情報&化学サービス)が企業の国内研究開発支出の半分を占めた。公的セクターでは研究機関(EPST、EPIC)が政府系の国内研究開発支出の54%を占めている。・中小企業、中堅企業、大企業における研究開発
2014年は中小企業(零細企業を含む)は企業の国内研究開発支出(DIRDE)の17%を実施した。中小企業は支出の半分以上をサービス業務に充てている。DIRDEの58%を占める大企業は高・中度技術の産業でその取り組みの4分の3を実施している。・新興イノベーション企業
研究開発業務を実施する中小企業の創出と発展を促進するべく、新興イノベーション企業(JEI)規定が設けられている。2014年のJEIの国内研究開発支出は9億1,600万ユーロで、前年比10%の増であった。これらは主にサービス部門に集中している。・公的機関の研究支出
2014年の主要公的研究機関の国内研究開発支出は91億ユーロであった。これは2013年比で1.1%の減である。公的研究の54%を実施するこれらの機関は、フランスにおける重要な研究実施機関である。DIRDは合わせて55億ユーロであるが、CNRSとCEA(民需部門)の公的研究の3分の1を実行している。・公的研究の研究開発業務の資金調達
2014年の公的研究の研究開発予算は約130億ユーロで、政府の研究開発業務全体の68%の資金を占めている。自己収入は60億ユーロで、公的セクターの資金調達の32%を占めている。・研究費税額控除、企業における研究開発の支援措置
2013年以降、研究費税額控除には対象となる支出の種類に応じて3つの構成要素がある。研究支出、イノベーション支出、および繊維製品・衣類・皮革分野のコレクション支出である。2013年の受理額は研究支出で55.7億ユーロ、イノベーション支出で7,400万ユーロ、コレクション支出で6,500万ユーロで、総計57億ユーロである。・地方自治体による研究・技術移転のファンディング
2014年、地方自治体は研究・技術移転(R&T)のファンディングに13億ユーロを割り当てた。このファンデイングは、主に不動産関係、技術移転とイノベーションを対象としている。・研究予算の社会・経済的目標
2016年の研究・高等教育省際ミッション(MIRES)では、130億ユーロの研究向け予算を再編成している。この予算の約80%は公共サービスの任務に対する補助金として研究・高等教育実施機関に配賦されている。また49%は基礎研究に充てられている。・フランスにおける研究開発、投資と実行
フランス国内に拠点を置く企業は国内研究開発支出(DIRD)の約55%を出資している。企業による研究開発支出の総額は368億ユーロで、フランス在住企業が85%を出資しており、7%は公的資金に依る。残りは外国からの投資である。 [DW編集局+JSTパリ事務所]