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- 国・地域名:
- ドイツ
- 元記事の言語:
- ドイツ語
- 公開機関:
- ヘルムホルツ協会(HGF)
- 元記事公開日:
- 2014/01/10
- 抄訳記事公開日:
- 2014/01/24
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欧州の原子力発電所 稼働期間延長
- 本文:
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EUが助成するプロジェクトLONGLIFE(助成額270万ユーロ)にドイツの科学者が参加しているが、これに関してヘルムホルツ協会は概略以下のような報道発表を行った。
ドイツ周辺国で新しい原子力発電所が稼働し、既存施設の稼働期間が延長されている。ドイツ政府の脱原発政策にかかわらず、ドイツの原子力専門家が今後も隣国の原子力発電所の安全性を評価することが大変重要である。このためEUによる助成プロジェクトLONGLIFEにドイツ人科学者も参加している。同プロジェクトでは、原子力発電所の圧力容器がどのようにエイジングするのかを調査し、その結果に関して世界70か国が参加する国際的ワークショップで発表を行う。このEUのプロジェクトはヘルムホルツ協会ドイツ研究センター(HGF)のドレスデン・ロッセンドルフ・センターがコーディネートしている。
欧州の原子力発電所は通常約40年間稼働するように設計されている。ドイツにおけるエネルギー転換と、それに伴う脱原発決定に影響を受けることなく、世界的に原子力発電所の稼働期間延長(60年から80年)に向けての条件が作られつつある。
長期の稼働期間において、原子炉材料におけるエイジング作用が原子力発電所の安全性を損なうものであってはならない。材料の状況は定期的に監視されている。稼働が続く中で炉材は、炉内における核分裂によって生ずる高エネルギーの中性子線によって徐々にそのメカニカルな特性を変化させ、その強度を失い脆弱化する。
稼働期間の長期化において、材料は全体としてより高度の中性子線量に晒されることになる。これまで脆弱化を監視してきた方式、予測モデル等は果たして原発の長期運転に適しているのか、あるいは新しく対応を考えなければならないのか、こうした問題がEUのプロジェクトLONGLIFEの中核であり、欧州9か国、16の研究機関がこれに参加している。
[DW編集局]