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- 国・地域名:
- 米国
- 元記事の言語:
- 英語
- 公開機関:
- 国立衛生研究所(NIH)
- 元記事公開日:
- 2013/12/12
- 抄訳記事公開日:
- 2014/01/24
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NIH、「NIH発作臨床ネットワーク」の立ち上げを発表
- 本文:
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国立衛生研究所(NIH)は12月12日、脳卒中の予防、治療、回復の研究を行う「NIH発作臨床ネットワーク」の立ち上げを発表した。25の地域脳卒中センターが、近隣にあるサテライト施設と協力し、脳卒中の対応に必要となる専門医療を研究するチームと連携が取れる形となった。
「NIH発作臨床ネットワーク(NIT Stroke Trials Network; 通称NIH StrokeNet)」は過去40年にわたり、脳卒中の効果的な臨床試験を行ってきた国立神経疾患・脳卒中研究所(National Institute of Neurological Disorders and Stroke; NINDS)が管理及び資金提供を行う。NINDSは1995年に急性脳卒中の治療に初めて成功して以来、予防や治療において優れた功績を挙げている。
25の地域センターは全米中に戦略的に配置されている。今回選ばれたセンターは脳卒中の研究や専門医の採用に関して実績があり、専門家組織が整っていることが条件。必要とされる専門医の分野は救急医療、神経外科、インターベンショナル神経放射線学、血管神経学、神経集中治療科、神経画像、卒中リハビリテーション、小児神経学など。
それぞれのセンターは5年間、研究に対して20万ドル、臨床研究者を訓練するために最初の3年間は毎年5万ドルの支援を受け、さらに目標を達成するたびに追加的資金を受ける。全体の管理と調整はシンシナティ大学が行い、組織の審査委員会を担う他、各地域センターの臨床試験協定(trial agreement)を進める。全国的データ管理センターの発表はNIHが2月にする予定。
NIH StrokeNetの研究者は脳卒中の研究を進める団体と協力し、今後、臨床試験を行う専門家のための基盤となる手順の提案、開発、実施を行う。今までの臨床試験では人材やインフラを大規模で集め、試験終了後は解散させるという手法をとっていたため、治験協力者を集めるための時間やコストが嵩んでいた。そのため、新しい試験をする度に追加的費用がかかり、当初の予定を大幅に超える費用と時間がかかることが多かった。
新たに設立されたネットワークのコンセプトはNINDSが、全米で発生する脳卒中による死亡や障害を減らすために何をすべきか専門家に問うた計画から発展した。そこでは初期の安定性・有効性試験からフェーズⅡ、Ⅲへ継ぎ目なく移行ができるように、全国的なネットワークを構築することが挙げられた。NIH発作臨床ネットワークは、今後5年間をかけて、NINDが資金を提供し、フェーズⅠ、Ⅱの臨床試験を4~5件、フェーズⅢの試験を2~4件実現することを目標としている。 [DW編集局]