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- 国・地域名:
- EU
- 元記事の言語:
- 英語
- 公開機関:
- 共同研究センター(JRC)
- 元記事公開日:
- 2017/05/15
- 抄訳記事公開日:
- 2017/07/10
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世界のICT部門およびその研究開発投資に関する最新報告
Latest figures on ICT sector worldwide and its R&D investment
- 本文:
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共同研究センター(JRC)の2017年5月15付のニュースで、標記の記事が掲載されている。以下にその概要をまとめる。
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共同研究センター(JRC)はこのほど、ICT(情報通信技術)の研究開発に関する報告書『Prospective Insights in ICT R&D』(PREDICT)の最新版を発行した。報告書には、1995年から公式な統計が公開されている直近の年までの期間における欧州および他の国々の研究開発支出に関するデータも含めて、ICT産業に関して入手可能な最も完全で広範な分析結果が記されている。計40か国の過去20年間にわたる変遷から、ICT部門がこの間に付加価値を3倍に増加させていること、またICTサービスが主要な役割を果たし、世界のICT部門に付加された総価値の73.1%を占めていることが示されている。PREDICT報告書は、情報通信技術部門における研究開発の状況を明らかにしており、先ごろ公表された『Europe’s Digital Progress Report』にも貢献している。EU加盟28か国のほか、ノルウェー、ロシア、スイス、オーストラリア、ブラジル、カナダ、中国、インド、日本、韓国、台湾および米国が報告書の対象となった。
分析対象となったほぼすべての国に共通して、ICT部門における研究開発集約度および生産性の高さが明確な特徴として見られ、この部門が生産性向上の戦略的存在となっていることが示された。2014年、EUは付加価値という点では3位にランクされたが、中国はEU、日本、韓国を抜いて米国に次ぐ2位にランクインし、目覚ましい躍進を遂げている。
また報告書によれば、2014年における全世界の企業使用研究開発費(BERD)のほぼ4分の1がICT部門に由来していた(EUでは16%)。研究開発の集約度、すなわち付加価値総額に対してBERDが占める割合は、EUの場合5.3%で中国(5.2%)とほぼ同レベルだが、韓国(21.1%)、米国(12.3%)、日本(11.0%)からは大きく引き離されていた。
ICT部門の研究開発に充てられる公的資金は、2015年には63億ユーロと見積もられており、研究開発に割り当てられているEUの政府予算総額(GBARD)の6.7%を占めている。この割合は、中期的には安定した状態を維持しているが、EUは米国(8.3%)にも日本(10.2%)にも後れを取っていることが示された。
[JSTパリ事務所]