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- 国・地域名:
- ドイツ
- 元記事の言語:
- ドイツ語
- 公開機関:
- ドイツ連邦教育研究省(BMBF)
- 元記事公開日:
- 2017/06/01
- 抄訳記事公開日:
- 2017/07/25
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患者と家族の介護負担軽減化
- 本文:
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連邦教育研究省(BMBF)は新しいクラスター「介護の将来」を助成することとし、これに関して概略下記のような報道発表を行った。
患者として、あるいはヘルパー、家族として、ドイツでは多くの人々が日常的に介護に関係している。このためBMBFは新しいクラスター「介護の将来」をスタートさせる。アカデミアと産業界はこの中で、ユーザーと共同で日常の介護負担を軽減するような新製品を開発する。これには社会的および技術的イノベーションが密接に一体化しなければならない。同クラスターには2022年までに合計2,000万ユーロが投入される。
ヴァンカ大臣は「水分の摂取状況をモニターできるカップであれ、人の転倒を認識し自律的に助けを呼ぶことのできるセンサーシステムであれ、将来さまざまな技術的イノベーションが人間を支援し、日常生活の負担を軽減してくれる。この「介護クラスター」によって研究だけでなく、実証実験を行って有用なデジタル介護システムを、更に開発していくようにする。重要なのは、人間的な相互関係と技術的な支援を共に体験できることだと思われる。このためドイツに新しい介護実務センターが必要である。自宅で寝たきりにならないためにも有用である」と語った。
介護クラスターの礎石として2017年6月、ドイツ初の介護イノベーションセンターが活動を開始している。その活動は介護サービス、介護施設およびクリニックと共に新しい技術の実証を目的とした研究に集約している。患者と看護者のニーズに合わせた人間と技術の共存に焦点を当てている。このイノベーションセンターではオルデンブルク情報工学研究所(OFFIS)が調整役を務め、オルデンブルク大学、ブレーメン大学そしてオルデンブルク・ハンザ研究所が参加している。
介護クラスターは2018年までに完成し、4つの介護実務センターが4州に所在することになる。そこでは臨床、入院、外来の領域で有名な機関における革新的な介護技術が利用され、日常の介護における有効性が調査研究される。看護実務センターは研究を行う産業界のパートナー並びに、保健・介護分野の各機関と密接に協力する。
日々進歩する技術によって、高齢化する社会でも将来はデジタル・イノベーションが病院、介護施設、自宅でより多くの人々を助け、介護を必要としている人々の生活をより豊かにしてくれる。革新的な介護システムによって多くの人々がより長く通常の居住環境に留まることができるようになる。スマートな介護ベッドや新しい介護技術もその助けとなる。センサーによって看護が必要な人々の寝ている姿勢を把握し、必要に応じてそのベッドの状態を適切に変えてくれる。これによって血液の循環を改善し、床ずれを回避し、要介護者の動きを助けてくれる。同時にこれら新システムは介護を記録し、介護要員および理学療法士の負担を軽減してくれる。ヴァンカ大臣によれば「スマートな技術を展開することで、世話のために人々がより多くの時間を使うことができる」。
[DW編集局]