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- 国・地域名:
- 米国
- 元記事の言語:
- 英語
- 公開機関:
- 国防高等研究計画局(DARPA)
- 元記事公開日:
- 2017/06/01
- 抄訳記事公開日:
- 2017/08/02
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スケーリング則を超えて:エレクトロニクス復興イニシアティブ
- 本文:
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6月1日付けの国防高等研究計画局(DARPA)による標記記事の概要は以下のとおりである。
DARPAは、次世代の世界を変えるようなエレクトロニクスとマイクロシステムの基礎を築くことを目的に多面的な取組みを開始した。国防総省(DOD)の2018年度予算案には、官民による「エレクトロニクス復興」イニシアティブを支援するためのDARPA向けの7500万ドルが含まれている。同イニシアティブでは、継続的な部品の小型化だけでなく、全く新しいマイクロシステムの材料、設計、およびアーキテクチャにより、更なる性能の進歩を追求するものである。この新ファンドは、電子工学、フォトニクス、および関連するシステム分野における2018年度の研究開発ポートフォリオを補完するもので、大規模な民間投資により更に補完されて、2億ドル以上の共同研究開発となることを目的としている。
1940年代のトランジスタから、現在の集積回路に至るまでの経路は、「スケーリング」と呼ばれ、その技術開発は着実なものであった。しかし、物事にはいつも終わりがある。ムーアの法則には、常に物理学と経済学の両方の限界があるといわれている。そして、この変曲点が近づくにつれて、マイクロエレクトロニクスを継続的に進歩させるためには、新しい段階のイノベーションを必要とするが、これこそがDARPAイニシアティブが必要とされる所である。
今後数ヶ月にわたって、DARPA のMicrosystems Technology Office(MTO)は、技術ディスカッション、ワークショップ、および他のチャネル通じて、マイクロエレクトロニクスコミュニティと連携し、マイクロシステムを刺激的な新しいイノベーションの時代に導くために、共同作業によるコスト共有の研究課題を抽出する。この新しい取り組みは、DARPAが最近創設した基礎的なエレクトロニクス分野において大学と共同研究開発を行うJUMPプログラムを補完するものであり、これにはDARPAと民間のコンソーシアムであるSemiconductor Research Corporationが共同出資する
本イニシアティブ下での材料研究開発では、一般的ではない回路材料を使用して、より小さなトランジスタによらずに回路性能を大幅に向上させる方法を模索する予定である。また、アーキテクチャ研究開発では、特定タスクに最適化された回路構造を研究する。さらに、設計では、特殊回路の迅速な設計と実現のためのツールの開発に重点を置く予定である。
[DW編集局+JSTワシントン事務所]