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- 国・地域名:
- ドイツ
- 元記事の言語:
- ドイツ語
- 公開機関:
- ドイツ連邦教育研究省(BMBF)
- 元記事公開日:
- 2014/02/17
- 抄訳記事公開日:
- 2014/03/13
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精神疾患への理解を深める
- 本文:
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ドイツ連邦教育研究省(BMBF)は精神疾患に関する新しい研究ネットワークを助成することになり、これに関して概略以下のような報道発表を行った。
ドイツでは全人口の少なくとも40%がその生涯の中で何らかの精神疾患に罹り、国民病の一つと言えるだろう。患者にとってはもとより、その家族にとっても大きな負担となる。しかもそれが早期退職の最大の原因となっている。BMBFは精神障害に関する新しい研究ネットワークを助成することになった。
ヴァンカBMBF大臣は「この研究ネットワーク助成によって、精神障害研究の重要性を強調したい。全国の科学者が共同で取り組むことで、より効果的な治療法が生まれることになる」と語り、「多くの精神障害に苦しんでいる患者がいる。研究の成果を迅速に患者のために役立たせることが目標だ」と続けた。
新しい研究ネットワークのためにBMBFは3,500万ユーロを用意し、2014年夏に活動をスタートさせる。新しい治療法の研究、検証が最も重要な課題であり、新薬ミノサイリンを臨床的にテストする。この抗生物質は本来、感染症にたいして投与されているが、うつ病の治療についても医学研究の中で焦点を当てられるようになった。この新薬によって、これまで治療抵抗状態になっていた患者で、明らかな治療効果の改善が見られる。研究者は医薬品以外についても研究している。例をあげると、中毒症、特にアルコール、ニコチン等の中毒症において、新しい「E-Healthコンセプト」に取り掛かろうとしている、現在大きく広まっているスマートフォン等の新しいコミュニケーション手段を治療支援に利用するものである。
研究ネットワークは、非常に高い疾病負荷を伴う精神障害を研究する。全国の大学と30研究機関が、鬱病、不安障害、中毒、統合失調症、注意欠陥・多動性障害(ADHS)、自閉症などの研究に協力する。
[DW編集局]