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- 国・地域名:
- 米国
- 元記事の言語:
- 英語
- 公開機関:
- 国防高等研究計画局(DARPA)
- 元記事公開日:
- 2014/04/01
- 抄訳記事公開日:
- 2014/04/30
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DARPA、新技術局立ち上げ
- 本文:
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国防高等研究計画局(DARPA)は4月1日、国家の安全を高めるため、生物学とエンジニアリング、コンピューターサイエンスを統合した新しい技術室を立ち上げると発表した。生物科学室(Biological Technologies Office ; BTO)と呼ばれる新しい部署は生物学と物理化学の交わる分野を専門とし、進化する生物学の領域をエンジニアリングの技術や規律で抑制し、生命科学から触発を得た見識に基づく次世代技術をデザインする役割を担う。同室のプログラムは人間細胞から世界規模で広がるウィルスの研究まで、空間的にも時間的にも幅広い分野を対象とし、自然現象から学んだ知見を国家の安全に応用する方法を追及する。
BTOはDARPAの防衛科学室(DSO)とマイクロシステム技術室(MTO)の活動を基とし、順次拡大していく。神経科学、センサーデザイン、マイクロシステム、コンピューター科学その他DARPAで研究を進めてきた領域が収束するようになり、新たな研究を進めるべき対象が増えてきたため。初期段階のBTOはDSOやMTOから移譲されたプログラムを受け持つが、その後は最近発表となった Hand Proprioception & Touch Interfaces (HAPTIX) やReliable Neural-Interface Technologyプログラムなどを担当する予定。BTOが特化する研究分野は以下の三つ。
・兵士の回復・健康維持の支援:国家の軍事力を維持するため、兵士の能力を回復、維持させることは欠かせない。既存の課題に対応するための新しい技術や治療学の戦略を開発しつつ、現在の応用医学を超える生物学レベルの研究を進める。
・進化する生物学に対する抑制:生物学の進化により、既存の科学や技術では実現できなかったものが開発されているため、それらを規制する方法が必要となる。BTOは生物学システムを理解し、新しい技術や製品の開発を進めつつ、それらを統治することを目的とする。
・生物学複雑性の応用:生物学システムは空間的、物理的、時間的対象を広く持って運用される。BTOは世界規模の安定性と人類の健康を実現するため、生物学複雑性と生物システムダイナミクスから得られた知見を応用していく。 [DW編集局]