[本文]

国・地域名:
米国
元記事の言語:
英語
公開機関:
全米科学・工学・医学アカデミー(NASEM)
元記事公開日:
2017/12/12
抄訳記事公開日:
2018/02/02

STEM学部教育の質のモニター方法に関する指針

Report Offers Guidance on How to Monitor the Quality of STEM Undergraduate Education

本文:

12月12日付、全米科学・工学・医学アカデミー(NASEM) の標記記事の概要は次のとおりである。

記事は学部生の科学、技術、工学、数学(STEM)教育の質とインパクトを測るため、米国立科学財団(NSF)の支援により、NASEMが行った調査報告の結果を述べている。

調査では、まず、学部生STEM教育の全体に跨る次の3つのゴールを定めている。①エビデンスベースの演習とプログラムに学生を参加させることにより、学生にSTEMコンセプトとスキルをもっとマスターさせること、②STEMを専攻する学生、教師の公平さ、多様性を保つべく、STEMへのアクセスとSTEM分野における成功の機会を提供すること、③STEMの各分野で必要なSTEM資格取得者数を増加してSTEM専門家の数を確保すること、である。

上記の3つのゴールに向かう経過を評価するには、21の指標が必要である。しかし、現行のシステムには、評価の指標として使えるような国家レベルのデータはない。

従って新たに指標システムを構築することになるが、その際予想される複雑さを軽減するため、報告書は指標に必要なデータを得るために次の3つの選択肢を提案している。①全米学生データの構築、②全米教育統計センター(NCES)の収集データの幅の拡大、③既存のデータと非政府組織によるデータの統合、である。①はSTEM教育を通して学生がどのように進歩するかを示す、最も正確なデータを提供するものであり、②はNCESが2年および4年制高等教育機関から収集している年次データである統合高等教育データシステム(IPEDS)を活用するものである。そして③は、連邦政府や高等教育協会のような機関が実施するものである。

報告書によると、指標にはデータ収集を開始する前に定義を明確にし、計測方法を特定する研究から始める必要があるとしている。さらに、研究を進めていくと、報告書で提案されている以上の新しい指標を必要とするような重要な要素が見つかるかもしれない。このような理由で、又は学部教育の今後の発展に伴い、将来、報告書で述べられているSTEM指標、データ、計測方法、を見直すことが必要となるかもしれない。

[DW編集局+JSTワシントン事務所]