[本文]

国・地域名:
フランス
元記事の言語:
フランス語
公開機関:
高等教育・研究・イノベーション省(MESRI)
元記事公開日:
2018/03/29
抄訳記事公開日:
2018/05/29

フランスを人工知能先進国とするためのAI戦略

La stratégie IA, pour faire de la France un acteur majeur de l'intelligence artificielle

本文:

3月29日付高等教育・研究・イノベーション省(MESRI)の標記発表の概要は以下のとおり。

3月29日パリのコレージュ・ド・フランスで人工知能(AI)に関するシンポジウムが開催された。仏大統領はこの機会を捉えて、多数の領域(がん発見、自動運転車、画像認識、仮想アシスタントなど)に影響がおよび、深遠な変化を誘発し、危惧をも引き起こす技術である人工知能に関して、野心的戦略を発表した。

現在は米国、中国のほか、イスラエル、カナダ、英国などのこの分野の新興国が支配するセクターである人工知能について、フランスをその強国の1つに押し上げることがこの計画の狙いである。そのための優先課題として研究、データのオープン化、倫理的・社会的課題が挙げられる。フランスは国際的な場で十分競合し得る資源(研究人材、卓越した人材育成など)をすべて備えているが、今のところ顕著で主導的なグループを欠いている。

● AI戦略の4大基軸

本AI計画は2022年まで展開される。特にフランスの4~5か所の本分野に特化した研究機関からなるネットワークを設置し、AIに関する世界最高レベルの研究ハブを構築し、官・民の研究者の交流を促進する。本計画は次の4大基軸からなる。
・フランスおよび欧州におけるAIのエコシステムを強化する
・データのオープン化政策に取り組む
・国および欧州レベルでの規制・資金支援の枠組みを適用する
・AIの倫理的課題・政策的課題を定める

政府はAIの開発に関わる5か年計画全体に15億ユーロを充てるが、その内約4億ユーロは画期的なイノベーション・プロジェクト公募に充てられる。またAIは年初に設立された100億ユーロのイノベーション・産業基金の最初の適用領域である。

[DW編集局+JSTパリ事務所]