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- 国・地域名:
- フランス
- 元記事の言語:
- フランス語
- 公開機関:
- 高等教育・研究・イノベーション省(MESRI)
- 元記事公開日:
- 2018/10/26
- 抄訳記事公開日:
- 2019/01/17
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フランスとオーストリアの研究開発支出の比較
Les dépenses consacrées à la R&D : comparaison entre la France et l'Autriche
- 本文:
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2018年10月26日付高等教育・研究・イノベーション省(MESRI)の標記発表の概要は以下のとおり。
2016年にフランスは研究開発に約500億ユーロ、オーストリアは約110億ユーロを拠出した。この額により、2018年7月以降欧州連合(EU)の議長国を務めるオーストリアはそのGDPの約3.1%を研究開発に費やしたことになる。その結果、オーストリアは、2016年に研究開発支出が3.25%であったスウェーデンに続いて、Europe 2020戦略の目標を達成した。しかし、その目標はさらに高くなっており、国家目標として、GDPの3.76%を研究開発に充てると設定している。
フランスはGDPの2.22%を研究開発に充てている。2002年までは、フランスの研究開発比率はオーストリアよりも高かった(2002年はオーストリアは2.07%、フランスは2.17%)。しかしその後、差が拡大し、オーストリアの研究支出は、特に企業部門で安定して伸び続けている。フランスでは、2002年から2007年の間に若干減少しているが、その後伸びて、2009年以降は2.2%前後で停滞している。
公共部門の研究開発支出では、オーストリア(0.88%)はフランス(0.78%)に比べわずかに高い。しかし、両国の差は企業において特に顕著である。民間研究がGDPの2.20%を占めるオーストリアに対し、フランスでは1.44%であった。企業が国内研究開発支出(DIRD)の71%を占めるオーストリアに対し、フランスの企業はDIRDの65%である。
一方、オーストリア企業はDIRDの50%にしか資金を出していない(フランスは56%)。国の負担は、両国ともDIRDの33%を直接的に資金支援しているので、同等である。違いは主に海外からの投資によるものであり、オーストリアの研究(17%、フランスは8%)に比較的大きな投資が行われている。これは特に企業の国内研究開発支出を介するもので、オーストリア企業には21%、フランス企業には9%を実施している。
さらに、欧州のHorizon 2020研究・イノベーション・プログラムでは、オーストリアはEU予算への貢献度を上回るファンディング・シェアを獲得している。EU予算に対する貢献度1ユーロ当たり、オーストリアには1.27ユーロが戻り、フランスへは0.66ユーロである。
フランスで最も研究に投資している産業部門には、航空宇宙産業のほか、コンピュータ、電子機器、光学製品の製造業がある。これらのセクターは研究開発に非常に力を入れており、公共セクターによる大幅な助成を受けている。オーストリアでは、機械設備製造業が企業のDIRDEの13%を占めている。伝統的に研究開発が活発でないサービス産業の企業によるDIRDEはオーストリアにおいて低いが、この企業による研究支出の15%は公共部門から支援されている(フランスではわずか4%)。全体として、オーストリアの企業は、彼らの得た付加価値のうちの大きな部分を研究開発活動に充てている(2.4%、フランスは1.6%)。
[DW編集局+JSTパリ事務所]