[本文]

国・地域名:
米国
元記事の言語:
英語
公開機関:
全米科学・工学・医学アカデミー(NASEM)
元記事公開日:
2018/11/29
抄訳記事公開日:
2019/01/30

ヒトゲノム編集に関する第2回国際サミットに関する全米科学アカデミー会長と全米医学アカデミー会長の声明

U.S. NAS and NAM Presidents Issue Statement on the Second International Summit on Human Genome Editing

本文:

11月29日付、全米科学・工学・医学アカデミー(NASEM)の標記記事の概要は次のとおりである。

ヒトゲノム編集に関する第2回国際サミット組織委員会が、今週香港において、急速に進歩している科学・医学の分野の重要でタイムリーな会議を開催してくれたことに感謝する。組織委員会が結論として発表した声明を支持する。声明により、世界中の科学・医学コミュニティがヒトゲノム編集と臨床使用について責任ある方法を引き続き規定していくために、協力を継続することの必要性が再確認された。

これは今週、中国の研究者が双子新生児の胚ゲノムを編集したとの突然の報告があったことを踏まえると特に重要なことである。今回のサミットでは、このような問題含みの新事実に対応し、全米科学アカデミー(NAS)と全米医学アカデミー(NAM)による2017年の報告書に提示されているガイダンスが強調された。この報告書は生殖細胞系編集が許可される臨床試験や応用に関する基準を概説しているが、それはリスクと利点を明確に理解した上で喫緊の医学的必要性があり、厳格な監視の下で、十分な透明性の確保と一般からの意見を踏まえた場合に限り許可されるというものである。

サミットでは上記研究者から報告があり、それがどのような潜在的な示唆をもたらすかについて掘り下げて議論した。その研究者が2017年の上記報告書の基準や、責任ある科学者としての国際的な行動基準に従わなかったことに対して組織委員会が示す深い懸念に同意する。

NASとNAMはヒトゲノム編集における研究と応用について責任持って探求することにリーダーシップを発揮し続け、世界中の他のアカデミーと一緒に今後もフォーラムを開催し、今後のガイドラインを作成していくことに尽力する。今週の香港でのサミットは、我々が国際科学コミュニティに賛同される、より具体的な基準や指針を作成していかなければならない必要性を実感させた。今後も組織委員会の呼びかけに応じ、協力して進めていきたい。

NAS会長 マルシア マクナット、NAM会長 ヴィクター J. ザウ

[DW編集局+JSTワシントン事務所]