[本文]

国・地域名:
米国
元記事の言語:
英語
公開機関:
エネルギー省(DOE)
元記事公開日:
2019/02/07
抄訳記事公開日:
2019/04/09

DOEが超高効率電力管理に3,500万ドルの助成

Department of Energy Announces $35 Million for Ultra-Efficient Power Management

本文:

2月7日付のエネルギー省(DOE)による標記報道発表の概要は以下のとおりである。

本日、DOEは、産業、輸送、送電網その他における応用のために中電圧電力を利用する新しい方法を見出す12のプロジェクトに対して3,500万ドルの助成を行うと発表した。採択されたプロジェクトは、エネルギー高等研究計画局(ARPA-E)の「キロボルト有効定格電力を安全に達成するための信頼性の高いエレクトロニクスの構築」(BREAKERS)プログラムと、OPEN+プログラムの最新のサブ・プログラムであるキロボルト・デバイスの一部である。

BREAKERSの8プロジェクトは、電気系統の故障をなくし、効率と反応時間を改善し、ひいてはエネルギー貯蔵と再生可能資源の普及拡大を可能にすることにより、電力をより効率よく管理するための新しい直流デバイスを開発する。キロボルト・デバイスOPEN+の4プロジェクトは、送電網のセキュリティと信頼性に特に着目して、中電圧域のパワー・エレクトロニクスが直面する様々な課題に焦点を当てる。

現在の配電網には主として交流電力が供給されているが、直流の方がより少ない送電ロスとより高い送電容量を実現できる。BREAKERSのプロジェクトは、安全上の問題であるアーク放電を防ぐとともに、大電力、高電圧を扱うことができる直流デバイスを開発する。

中電圧直流回路遮断器は、電力が送電網全体を通して配電され管理される方法を変革することにより、米国の電力系統における大幅な改善を可能にするかもしれない。同様のことが、産業、輸送や資源生産の重要なアプリケーションについても言えよう。

プロジェクトの一例を挙げれば以下の通り。

  • BREAKERS

イートン社 ノースカロライナ州アーデン
直流ワイド・バンドギャップ静電回路遮断器 376万ドル
効率を高め、中電圧アプリケーションの要求をスケール・アップおよびダウンできる炭化ケイ素ベースの直流回路遮断器を設計する。本チームの包括的アプローチは、余分なエネルギーを効果的に放散させ、複数のデバイスに亘って故障防護を自動的に調整する、堅牢な設計を含む。本プロジェクトの成果は、将来の超ワイド・バンドギャップ・パワー半導体デバイスや、将来世代のデバイスやパワー・エレクトロニクスに影響を与える、その他の進歩につながる。

  • OPEN+ キロボルト・デバイス

オハイオ州立大学 オハイオ州コロンバス
高圧(15-20kv)垂直パワー・デバイスのための原基板上の窒化ガリウムの有機金属気相成長法による成長 約221万ドル
高圧(15-20kv)での電力制御と変換に適した窒化ガリウム(GaN)半導体物質を開発する。本チームは、高効率の高圧作動に必要な、バックグラウンドの不純物濃度が低い、厚手のGaNフィルムを成長させる独自の方法を開発する。高品質のGaNフィルム析出に不可欠な、欠陥の少ない高品質GaN基板の上に厚いGaNフィルムが析出され、今後のGaNの成長・最適化へのフィードバックのための、高圧デバイスの設計、製作および試験が行われる

[DW編集局+JSTワシントン事務所]