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- 国・地域名:
- ロシア
- 元記事の言語:
- 英語
- 公開機関:
- ロシア大統領府
- 元記事公開日:
- 2019/03/19
- 抄訳記事公開日:
- 2019/05/22
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プーチン大統領とロスナノ社会長との会談:国営企業の業績と今後の計画
- 本文:
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2019年3月19日付ロシア大統領府の標記発表では、プーチン大統領とロスナノ(Rusnano)社のアナトリー・チュバイス(Anatoly Chubais)会長との会談内容を伝えている。概要は以下のとおり。
10年前にロスナノ(Rusnano)社が設立されたとき、大統領の承認により1,300億ルーブルの配賦を受けた。それがこの国営企業の立ち上げ資本であった。当社の最初にして最も重要な成果は、我々のファンディングによって建設されたプラントが連邦予算に1,320億ルーブルを支払ったということである。これは政府の支出が回収されたことを意味する。
プラントは全部で97あるが、これらの施設が研究開発に投資していることがさらに重要で、すでに420億ルーブルを投資している。これらの資金を投資したのはロスナノではない。もしロスナノが出資したとすると、それは国の予算からになり、おかしくなる。これらの資金はプラント自身によるものであり、研究開発への投資なしに、プラントは発展することができない。
国家予算は研究開発に比較的多くの額を投じているが、企業は十分な投資をしていない。ロスナノは科学集約的なプラントが研究開発にかなりの資金を投資している。研究開発への投資はさらに増えている。
次にロスナノ社が重点を置く12のセクターのうちの特定の新興産業やクラスターについて、3〜4件の例を挙げる。
医学、もっと正確に言えば核医学は、それらの1つである。これには陽電子放出断層撮影が含まれる。このプロジェクトをロシアで始めたのは約7~8年前である。基本的に、これは部分的には賢明な選択であり、またある程度幸運であった。それは一種の癌診断の「ゴールデン・スタンダード」であることが判明したからである。腫瘍性疾患について言えば、この研究は生死に関わる問題であり、初期段階で癌と診断された患者は、第4期の癌患者よりもはるかに生存の可能性が高い。
この投資により、11の地域に核医学センターを建設することができ、それらはすでに10万人以上の患者を診断している。すでに診断から外科治療へと移行しており、ウファ(Ufa)に最初のいわゆるサイバーナイフ・システムを設置した。このシステムは、非侵襲的手術を行い、重篤な合併症などを伴うことなく痛みを伴う腫瘍を無血除去する。再生可能エネルギーでは、発電を支援するだけでなく、産業の地域的集中化の規制も支援する。したがって、これにより、電力業界だけでなく、風力・太陽光発電業界、ならびに廃棄物管理業界も出現した。それはまたこれらのすべての業界に機器を供給する製造部門の出現をもたらした。昨年だけでも、タガンログ(Taganrog)にタワー製造プラント、ニジニ・ノヴゴロド(Nizhny Novgorod)に風力タービン・ナセル・プラント、ウリヤノフスク(Ulyanovsk)に風力タービン・ブレード・プラントを建設した。
産業の発展は研究開発を伴うもので、これらの産業はどれも、関連技術の完成なしには存在しない。これには教育の展開も必要で、今日、すでにロシアの6つの大学に再生可能エネルギーの学科がある。
「太陽ランタン」プロジェクトは、非常に成功したプロジェクトである。この太陽電池パネルについて最近証明されたことは、電力効率が22.7%で、世界で最も効率的なソーラーパネルのトップ3の1つであることである。昨年初めてカザフスタンに輸出された。
3番目は天然ガス燃料供給の問題に対処するための事業。ガスプロム(Gazprom)と共同で、基金を設立する予定である。ベルゴロド(Belgorod)およびロストフ(Rostov)地域向けのプロジェクトを展開した。またガソリンスタンドおよびプラント建設の大型プロジェクトにも取り組んでいる。
最後は電気自動車。天然ガス燃料問題は電化計画と密接に関連するべきであると考えている。この意味でこの事業に取り組むのは唯一ロスナノ社だけである。この技術を機能させるべく、リチウムイオン電池を製造する国内唯一のプラントを建設した。幸いなことに我々の電池が使われており、サンクトペテルブルグ市が最初に使用を開始した。このバッテリーは、トロリーバスの路線を延長する必要がある場合に、主としていわゆるロング・トラベル・トロリーバスで使用される。変電所などインフラの構築は必要なく、トロリーバスにこれらのバッテリーを装備するだけでよい。ロシアのバッテリーで走る電気バスが人気を集めている。ラテンアメリカに少量の電池の輸出を開始した。
[DW編集局]