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- 国・地域名:
- 米国
- 元記事の言語:
- 英語
- 公開機関:
- 国防高等研究計画局(DARPA)
- 元記事公開日:
- 2019/03/21
- 抄訳記事公開日:
- 2019/05/30
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機械学習アプリケーション用チップの開発を目指すDARPAのリアルタイム機械学習(RTML)プログラム
- 本文:
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3月21日付け、国防高等研究計画局(DARPA)による標記記事の概要は次のとおりである。
現在の機械学習(ML)システムは過去数十年間のコンピュータの画期的な進歩なしには不可能であった。グラフィックス・プロセッシング・ユニット(GPU)の開発は機械学習の高度化に極めて重要であった。なぜなら、それはMLシステムが大規模なデータセットを処理し、トレーニングを受けるために必要な、新しいレベルの計算能力を提供したためである。
人工知能(AI)分野は今日の機械学習の能力を超えて高度化し、リアルタイムで学習する領域に入り込んでいると見られており、新しいレベルのコンピューティング力が必要となっている。高度に専門化された特定用途向け集積回路(ASICs)は、自律システムや5Gなどの、高度機械学習アプリケーションの物理的なサイズ、重さ、電力(SWaP)の要件を満たすことが期待できる。しかし、設計や実装のコストの高さが機械学習に特化したASICs開発を非現実的としていた。
DARPAのリアルタイム機械学習(RTML)プログラムは、機械学習フレームワークに基づく新しいチップデザインを自動的に作成する手段を開発することにより、新規の機械学習アプリケーションに合うASICsを開発するためのデザインコストの削減を目指す。RTMLプログラムの目標はTrensorFlowやPytorchのような機械学習のフレームワークを取り込むことが出来るコンパイラーまたはソフトウェア・プラットフォームを作ることであり、特定の機械学習アルゴリズムやシステムの目的に基づいて、ハードウェア・デザイン構成と特定のニーズに最適化された標準的Verilogコードを作ることである。RTMLは2つの極めて重要な高帯域幅アプリケーション領域(5Gとイメージ・プロセシング)でコンパイラーの可能性を模索する。
RTMLの取り組みにおいて、DARPAは国立科学財団(NSF)と協力する。NSFは独自のリアルタイム機械学習プログラムを推進しており、リアルタイム推論と急速学習を支える新しい機械学習パラダイムとアーキテクチャーの開発に重点を置いている。DARPAのRTMLプログラムの第一段階の後に、DARPAのコンパイラーをNSFの研究者に提供し、彼らが提案する機械学習アルゴリズムとアーキテクチャーを評価するためのプラットフォームとする。第二段階では、DARPAの研究者がNSFによってもたらされた結果を使ってコンパイラーの性能と能力を評価する。
RTMLはDARPAのエレクトロニクス再興イニシアチブ(ERI)(5年間で15億ドル以上の投資)の第2フェーズの一部である。
[DW編集局+JSTワシントン事務所]