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- 国・地域名:
- 米国
- 元記事の言語:
- 英語
- 公開機関:
- 大統領府科学技術政策局(OSTP)
- 元記事公開日:
- 2019/05/30
- 抄訳記事公開日:
- 2019/07/22
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5Gのグローバル競争において米国の主導権を確保するためのトランプ政権の諸施策
- 本文:
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2019年5月30日付けの大統領府科学技術政策局(OSTP)による標記記事の概要は以下の通りである。
「未来の産業」への投資を約束したトランプ政権は、安全で信頼できる5G通信の展開におけるグローバル競争において米国の主導権を確保しようとしている。この政権の政策は、米国の5G対応のためのイノベーションと投資を促進し、21世紀における最重要な技術的・経済的進歩への道を切り開こうとしている。
主要な業界団体によると、アメリカの電気通信事業者は、5Gネットワークの展開に2,750億ドルを投資し、300万人の新規雇用を創出し、経済に5,000億ドルを追加することを計画している。
この5Gへの投資を促進するためには、高速かつ大容量のアプリケーションを走らせる周波数帯域の将来を見据えた戦略的活用が求められる。これを認識して、トランプ大統領と連邦通信委員会(FCC)は、米国史上最大の周波数帯域オークションを12月に行うと発表した。
さらに、2018年10月25日、トランプ大統領は「米国の将来のための持続可能な周波数帯域戦略策定に関する大統領覚書」を発行し、商務長官に長期的な周波数帯域計画の作成を指示した。本日、大統領の覚書に応えて、科学技術政策局(OSTP)は、無線周波数帯域(WSRD)省庁間ワーキンググループと共に、「無線通信における米国の主導権確保のための研究開発の優先事項に関する報告書」を発表した。併せて、OSTPは、「新興技術とそれらの非連邦周波数帯域需要への予想される影響に関する報告書」を発表した。
前者の報告書では、米国の最も貴重な資源の一つである周波数帯域の有用性を高めるために、3つの優先分野を定めている。
優先分野1:複数帯域と新たな波形を活用するための周波数帯域の柔軟性と敏捷性の追求
優先分野2:準リアルタイムでの周波数帯域認識の向上
優先分野3:安全で自律的な周波数帯域選択を介した周波数帯域の効率と有効性の向上後者の報告書では、新興技術と今後数年間における周波数帯域の活用方法についての分析を行った。自動運転車、工場の自動化、遠隔手術などの事例では、大容量と超低遅延が必要であり、スマートシティ、精密農業、コネクテッドホームの事例では、ネットワークごとに特異な課題が生じる。周波数帯域の効率的使用の保証、革新的な衛星群の認可、新規参入者への規制緩和等の施策に加え、米国においてイノベーション創出のために周波数帯域にかかる実験場(サンドボックス)を起業家やエンジニアに提供することが不可欠である。
[DW編集局+JSTワシントン事務所]