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- 国・地域名:
- 米国
- 元記事の言語:
- 英語
- 公開機関:
- 大統領府科学技術政策局(OSTP)
- 元記事公開日:
- 2019/05/31
- 抄訳記事公開日:
- 2019/07/23
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量子情報科学に関する大統領府学術円卓会議の総括報告書
- 本文:
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2019年5月31日付けの大統領府科学技術政策局(OSTP)による標記記事の概要は以下のとおりである。
量子情報科学(QIS)は、米国人に新たな経済的機会を創出し、米国の安全と安心を向上させる可能性を秘めている。このため、米国の学術機関は、QISでのイノベーションを奨励しつつ、競争力のある才能の育成や再教育を可能にする準備ができていなければならない。米国はQISでの研究開発(R&D)におけるリーダーシップを維持し強化していかなければならない。2018年12月21日にトランプ大統領は、国家量子イニシアチブ法(National Quantum Initiative Act)に署名し、この方向性を明確にした。さらに、2019年5月31日、大統領府はQISのR&Dを優先する主要な学術界のリーダーや教育者25名以上からなる幅広いグループを招集し、量子情報科学に関する学術円卓会議を開催した。
円卓会議での議論の焦点は以下の3点。
1. 米国のハイテク労働力の育成に向けた全米規模での量子分野の学術プログラムの開発
国立科学財団(NSF)のコルドバ(Córdova)長官が、QISと関連技術を進歩させるための新たな研究・教育プログラムを創設することについての利点と課題に関する議論をけん引した。QISの学術研究者は、彼らの研究機関で採用している学際的な教授法と研究方法を用いた新たなアプローチについて概説した。それは工学やコンピュータ科学のような伝統的なSTEM分野で、学生がQISの概念を利用できるようにするもので、一般の人々にQISの潜在的な利益を伝えるものである。また、 QISのような未来の産業に必要とされる労働力供給のために、産業界による継続的な教育の提供についての議論があった。2. QISのR&Dを推進する機関、センター、プログラムの支援
エネルギー省(DOE)のダバー(Dabbar)科学担当次官が、イノベーション重視のQIS機関にとってどのような取組みが重要であるのかについて大学の代表者たちに尋ねた。その後、QISの研究開発に既存の大学インフラをどのように活用できるか、そして大学および国レベルでどのようなインフラが必要であるかについて議論した。また、参加者は様々な機関や大学間で互いに補完する方法や、既存インフラの活用方法に関する国家のビジョンの重要性を強調した。3. 公共部門のイノベーションと起業に資する量子研究
国立標準技術研究所(NIST)のコパン(Copan)所長は、基礎研究をイノベーター、起業家および新興企業に結びつける際の課題について産学の関係者と議論した。投資家等にQISを分かりやすく説明し、研究者等と協力して研究成果を市場に移行させる方法について議論した。また、テストベッド・インフラがイノベーションにとって重要であると指摘した。 [DW編集局+JSTワシントン事務所]