[本文]

国・地域名:
米国
元記事の言語:
英語
公開機関:
国立衛生研究所(NIH)
元記事公開日:
2019/06/17
抄訳記事公開日:
2019/08/05

生物医学研究の公正性、持続性、強さの確保のためのNIH所長諮問委員会の活用

Ensuring the integrity, longevity, and strength of the biomedical research enterprise

本文:

2019年6月17日付けの国立衛生研究所 (NIH)による標記記事の概要は以下のとおりである。

NIHは、現在の生物医学研究が直面している非常に多くの困難な問題に同時に取り組む必要に迫られている。このような課題に関して、NIH所長諮問委員会(ACD)からの助言を活用している。ACDの作業部会のテーマと提言には以下のような例がある。

人工知能(AI)
生物医学研究におけるAIの活用とそれに伴う倫理的課題について検討しており、中間報告では、以下の5つのテーマに焦点を当てている。(1) より多くのAI対応データ、(2) より多くの「複数の専門性を持つ」研究者、(3) 倫理的・法的・社会的含意、(4) AIを適用すべき重要領域、(5) AIの進展にとって重要な領域。

次世代研究者イニシアチブ(NGRI)
2018年12月に最終報告を発表した。その提言の多くがNIHの取り組みに導入されている。2018年度、NIHは初期段階の研究者(ESI)グラントにて、歴史上最も多い1,287件の採択を行った。NIHの研究所やセンターの長が、評価は高かったものの採択には至らなかった研究提案者を優先的に採択できるようにした。

ハイリスク、ハイリターン(HRHR)プログラム
NIHにおけるHRHRプログラムの有効性について、女性や過小評価されている集団の参加、プログラムで支援される科学的トピックの多様性という観点から検討し、質の高い科学を支援しつつ多様性を高めるためのステップについて提言を行った。

セクシュアルハラスメントをなくすための風土の転換
中間報告において、「セクシャルハラスメントを含む職業上の不正を、研究上の不正と同等に扱う」、といった複数の提言を行った。

BRAINイニシアチブ2.0
これまで多くの成果を上げてきたBRAINイニシアチブの次期取り組みとして、より大規模かつ変革をもたらすプロジェクトを推進することが重要との提言を行った。

研究の公正性に対する外国の影響
2018年12月に30以上の提言を含む最終報告を発表した。これらの多くはNIHにより実行に移されており、懸案対象となっている外部機関と協力した検証などが進められている。

[DW編集局+JSTワシントン事務所]