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- 国・地域名:
- 米国
- 元記事の言語:
- 英語
- 公開機関:
- 国家科学技術会議(NSTC)
- 元記事公開日:
- 2014/05/16
- 抄訳記事公開日:
- 2014/06/19
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国家植物ゲノムイニシアティブ、2014~2018年5ヵ年計画
- 本文:
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国家科学技術会議(NSTC)は2014年5月標記文書を公表した。そのエグゼクティブ・サマリーから概要を以下に記す。
国家植物ゲノムイニシアティブ(NPGI)の目的は、植物ゲノムの構造および機能に関する基礎的学問の進展を図り、その知識を経済的に重要な植物と経済的価値を有する可能性のある植物加工に関する包括的な理解に活用することである。
NPGIは1998年以降継続して5カ年計画を統括しているが、これらの計画はいずれも植物ゲノムに関する省庁間ワーキンググループ(IWGPG)が様々な関係者の意見を聴取して策定したものである。本文書では過去5ヵ年(2009~2013年)の成果を報告し、今後5ヵ年(2014~2018年)のNPGI戦略計画の概要を述べている。
今回の戦略計画は植物研究界から広範囲に意見を聴いて策定した。リソースを最も効果的に活用できるように政府の施策や投資には優先順位をつけるが、一方では必要不可欠な研究手段や基盤組織の展開、NPGIが資金を提供する活動から生じるデータや発表論文の公開利用の拡大、民間および国際セクターとの提携拡大を通じて、社会的ニーズを満たすべく研究やその下流側での応用の進展を図る。
NPGIの次期5カ年計画には主として6つの目標がある。目標1~2は、ツールやデータベースの相互運用の共有・拡大を図ることで、データや知識のオープンアクセスに重点を置く。一方目標3~6は、農業へのゲノミクス応用の拡大、植物育種の促進、農業実務の改善、環境資源の需要削減、地球規模の気候変動によって課せられた課題への取り組みに重点を置く。
目標1: 基盤的な発見から実践的応用・広範な利用に至るイノベーション・チェーンのどの段階でも利用可能な次世代のデータベースおよびツールを開発する。
目標2: 21世紀の国家研究や育種のニーズに見合う植物遺伝資源ネットワークを創設する。
目標3: 植物学に関する我々の理解を深めるツールを構築し、そのような知識を活用して、食料、バイオエネルギー、工業用原料生産向けの持続可能システム展開に必要な的確な植物育種を実施する。
目標4: 次世代のツールやリソースを活用する要員を強化する。
目標5: 基盤的発見の実践的応用への移行を促進する官民協力を構築し、農業の実務におけるイノベーションを支援する。
目標6: 新規発見の利益をあらゆる人々にもたらすべく、国際協力を強化する。
[DW編集局]