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- 国・地域名:
- ドイツ
- 元記事の言語:
- ドイツ語
- 公開機関:
- ドイツ連邦教育研究省(BMBF)
- 元記事公開日:
- 2019/11/12
- 抄訳記事公開日:
- 2019/12/26
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BMBFイニシアチブQuNETが高度に安全な量子ネットワークの構築を目指す
- 本文:
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11月12日QuNETのプロジェクト参加機関が一堂に会した。これに関して連邦教育研究省(BMBF)は概略下記のような報道発表を行った。
QuNETプロジェクトのスタートに当たり、フラウンホーファー協会、マックス・プランク協会、ドイツ航空宇宙センターが、盗聴やハッキングに対して安全なデータ通信のための量子通信パイロットネットワークをドイツに構築する。当面、このネットワークは連邦省庁間の通信に利用される予定。
プロジェクト開始に際しカルリチェク大臣は次のように発言:「ドイツの情報通信システムをサイバーアタックから守らなければ、経済や社会がデジタル化の進歩とチャンスを全面的に利用することができない。量子通信インフラの構築は非常に重要で、より高い安全性と技術的主権が可能となるからである。ドイツと欧州は世界で最も信頼できるデータ圏とならなければならない。QuNETの活動は我この目標に向け大きく前進させる」。
安全な通信ネットワークは現代の情報社会において、重要なインフラとして位置づけられている。現在、サイバー攻撃や情報漏洩が増加しており、経済界はもとより市民、公共機関、および連邦省庁もその被害を受けている。これに加え、量子コンピュータの開発における最近の技術的進歩がデータ通信の新たな方法を必要としている。これら将来の高性能コンピュータは、現在のデジタル通信の重要な暗号方式を打ち破り、安全なウエブ・トラフィックを危機に晒すということになる。
他方、量子通信は、この危険に対抗することができ、機密情報を、機密性を保持しながら伝送することもできるとされている。その際、基本的な量子物理法則に基づき、コピーされたり、読まれたり、操作されたりすることができない量子現象が暗号キーの配分に利用される。
背景:
第一フェーズ(QuNET-alpha)において、QuNETイニシアチブの研究者はハイブリッド通信システムに関する量子通信技術を研究し、連邦省庁間に量子セキュリティによるパイロットラインを構築する。
その後のプロジェクトフェーズにおいて、イニシアチブは欧州の他の量子ネットワークイニシアチブとの接続可能性に狙いを定める。そのためQuNETはドイツ経済界と連邦情報セキュリティ庁(BSI)と協力して、ドイツ量子通信インフラを構築していく。これによりQuNETは量子セキュリティ通信の重要な基盤を創り出す。これは将来連邦省庁を超えて、産業界そして市民にもデジタル世界におけるセキュリティをもたらすものである。
[DW編集局]