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- 国・地域名:
- 米国
- 元記事の言語:
- 英語
- 公開機関:
- 全米科学・工学・医学アカデミー(NASEM)
- 元記事公開日:
- 2019/12/04
- 抄訳記事公開日:
- 2020/02/03
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ヒトゲノム編集に関する標準と監視に関する国際協定の緊急性
- 本文:
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2019年12月4日付けの全米科学・工学・医学アカデミー(NASEM)による記事の概要は次のとおりである。
中国・南方科技大学の賀建奎准教授が、健康な胚性ゲノムの編集を施しHIV抵抗性を有する双子の誕生を発表した香港での第2回「ヒトゲノム編集に関する国際サミット」から1年余りが経過した。全米科学アカデミー(NAS)、全米医学アカデミー(NAM)、英国王立協会(香港科学アカデミーとサミットを共催)、世界保健機関(WHO)を含む多くの機関は、 遺伝的変化を次世代に引き継ぐことを可能にする遺伝性ヒトゲノム編集の、いかなる臨床的使用も、現時点では無責任であると表明している。
香港での発表は、遺伝的ゲノム編集が容認されるために、満たされるべき要件に関する国際的な合意に達するためには、多くのなすべきことがあると科学・医学界に知らしめた。これを受けて、NASEMおよび王立協会は、世界中の科学・医学アカデミーの参加を得て、ヒト生殖細胞ゲノム編集の臨床使用に関する国際委員会を設立した。委員会には、遺伝性ヒトゲノム編集の潜在的な臨床応用のために、研究者や政策立案者が考慮すべき多くの技術的、科学的、医学的、倫理的要件を特定するフレームワークの開発が委任されている。また、WHOは、ヒトのゲノム編集のガバナンスと監視を目的とした世界標準の設定のための専門委員会を設置した。
2020年の晩春に予定されている委員会の報告書は、WHO専門委員会の作業と連動して、健全な規制の策定と生殖細胞系編集に関する監視に役立つことが期待される。同報告書で提案されるフレームワークは、社会が遺伝性ヒトゲノム編集の応用を受け入れると判断した場合、生殖細胞系ゲノム編集研究から臨床使用までの潜在的な経路の形成の基礎として役立つものである。
[DW編集局+JSTワシントン事務所]