[本文]

国・地域名:
中国
元記事の言語:
中国語
公開機関:
教育部
元記事公開日:
2020/01/15
抄訳記事公開日:
2020/03/03

中国、基礎学科重視の大学学部生採用制を導入

教育部关于在部分高校开展基础学科招生改革试点工作的意见

本文:

中国教育部は1月15日に、「一部の大学において基礎学科を対象とする生徒募集改革の試行に関する意見」(「強基計画」ともいう)を発表し、国の重要な戦略領域における基礎学科の優秀な人材育成を強化していくとみられる。以下にその要旨をまとめる。
「強基計画」は、国の重大な戦略ニーズに向け、総合素養が優れるまたは基礎学科で能力抜群な学生を絞って育てることを宗旨とする。対象領域は、ハイエンドチップ・ソフトウェア、インテリジェント技術、新材料、先進製造、国家安全等のコア領域及び国にとって切迫して人材を必要とする人文社会科学分野等とし、数学、物理、化学、生物及び歴史、哲学、古文等は「強基計画」で重点的な基礎学科と指定される。最初の段階では、北京大学、清華大学、中国人大学等36校(別添参照)が試行校として選ばれ、2020年から制度を実施する。従来の一部の大学で実施していた大学が自ら基準を決めて採用する「自主募集制度」は、同新制度の導入に伴って2020年より中止することになった。
試行校に選ばれた大学は、「強基計画」で定められた重点学科の募集において、既存の統一大学入学試験で相応の点数に達し、かつ同校に願書提出の受験生に対して総合評価を行い、そして受験生の総合素養評価(高校より提供)も考慮した総合的な評価を踏まえて付けた総合点数を基準とし、順次採用することとする。また、同募集制度の対象にランク入りできないが、関連学科で特別に優秀な受験生を対象に、大学は破格採用の制度を設けることも可能という。
試行校は、「強基計画」制度で採用した学生の育成について、指導教官制の導入、修士・博士課程進学への特別配慮、国の重点実験室や重要な研究課題への関連付け、学生データベースの整備等を配慮した教育プログラムを立てるようと求められる。
試行校の選定、及び試行校毎の「強基計画」に基づく募集の対象学科、採用人数等は、教育部が専門家による該当大学の総合評価を踏まえて決めるという。

〔DW編集局〕*本記事は科学技術振興機構北京事務所の協力を得て作成された。