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- 国・地域名:
- ロシア
- 元記事の言語:
- 英語
- 公開機関:
- ロシア大統領府
- 元記事公開日:
- 2019/10/22
- 抄訳記事公開日:
- 2020/02/10
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国家科学プロジェクトの下での研究センター設立状況に関する報告
- 本文:
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2019年10月22日付大統領府の発表によると、プーチン大統領はこのほど タチアナ・ゴリコワ(Tatyana Golikova)副首相と会談し、国家科学プロジェクトの下での研究センター設立問題の進捗状況の報告を受けた。発表の概要は以下のとおり。
研究・教育センターに関しては、国家科学プロジェクトの下に15か所のセンターがある。これらは科学、教育、工業生産の相乗効果の可能性があるロシアの各地域を意図して始まった。今年はコンペティションを実施しないで、研究・教育センター・プログラムの試行に最も適したパイロット地域5か所の選択を試みた。2020年と2021年には、政府の決議で指定された明確な基準に従って、コンペティションに基づいて各年5か所のセンターを選抜する。
● 2019年のパイロット・プロジェクト
2019年の5か所のパイロット・プロジェクトの特殊な点は、最初の1年間は連邦政府からの資金支援をしていないことである。各プロジェクトが計画を策定し、9月に、5か所の計画すべてが(研究・教育センター全般を主導する)審議会に提出され、審議会はそれらの支援を決定した。審議会には研究界、教育界、主要企業出身の専門家がいて、これらの計画を完成させるのに必要な提案を行った。
5か所の研究・教育センターが取り組む優先領域は、世界でもトップクラスの重要性を持つものである。例えば、ベルゴロド(Belgorod)地域は、農業における革新的なソリューションに焦点を当てている。バイオテクノロジー、育種、遺伝子研究に関連するプログラムに取り組んでおり、これらはこの地域特有の領域である。コンソーシアムには、4つの連邦大学、12の研究機関、4つの産業パートナーが参画している。
またペルミ(Perm)地域では、下層土の合理的な利用法のほか、エネルギー、エンジニアリング、ロボット工学など関連産業の研究に焦点を当てている。今後6年間の連邦政府からの交付額は86億ルーブルに過ぎないが、地域は残りの1340億ルーブルを産業パートナーを含む投資家から調達すると期待される。
さらに、国家科学プロジェクトの特定科学技術開発ガイドラインに関するものとして、これらの研究・教育センターの優先度の高い科学・技術開発の側面と合致する教育モジュールの下で、1万人の専門家を育成する計画がある。
● さらなる10か所のプロジェクト
ムルマンスク(Murmansk)地方知事の要請に応える北極圏研究・教育センターのほか、タタールスタン(Tatarstan)共和国その他のロシアの地域の研究・教育センターに関する大統領指令を受けている。これらは現在、各地域の研究・教育センターとして設立中であり、連邦センターとしてのコンペティションに参加予定である。
我々の目標は、国家科学プロジェクトの下で世界トップクラスの(数学)研究センターを設立することである。非常に厳しいコンペティションを通して4か所のセンターを選抜した。その内2か所がモスクワにあり、1か所はロシア科学アカデミーの ステクロフ(Steklov) 数学研究所で、もう1か所は ノヴォシビルスク(Novosibirsk)アカデミック・タウンにある。3か所目は ロモノソフ(Lomonosov)モスクワ国立大学、4か所目はオイラー(Euler)国際数学研究所(サンクトペテルブルク大学と提携)である。理論的な数学とは別に、物理学、人工知能、ロボット工学に関連する優先度の高い領域を備える。
遺伝子研究センターの選抜も厳しいコンペティションとなった。政府は、ゲノム研究の発展を狙った連邦政府研究・技術プログラムを採択した。これは選抜された研究センターを超える広範囲にわたるものである。連邦予算から112億ルーブルを割り当てて、その活動の資金支援をする予定である。今年は13億ルーブルが割り当てられる。
ロシア科学アカデミーのエンゲルハルト(Engelhardt)分子生物学研究所は他の研究・教育機関と協力して医学を代表するセンターとして、クルチャトフ(Kurchatov)研究所は産業・農業の遺伝学を代表するセンターとして、消費者保護と福祉を監督する連邦政府の監督下にある ノヴォシビルスク(Novosibirsk)研究所はバイオセキュリティを代表するセンターとして機能することを決定した。 [DW編集局]