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- 国・地域名:
- フランス
- 元記事の言語:
- フランス語
- 公開機関:
- 高等教育・研究・イノベーション省(MESRI)
- 元記事公開日:
- 2020/01/08
- 抄訳記事公開日:
- 2020/02/26
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農薬の削減・グリホサートからの脱却計画
- 本文:
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2020年1月8日付高等教育・研究・イノベーション省(MESRI)の標記発表の概要は以下のとおり。
政府はこのほど、農薬削減国家計画 Ecophyto 2+ の戦略方針策定・進捗管理委員会(COS)の会合を持った。
委員会は、農薬の販売数量が2017年にはわずかに減少したものの、2018年には大幅に増加したことに注目した。この変化は、汚染拡散に関して2019年1月1日から最も懸念される物質に課税することになったことで、料金の上昇を見越した2018年末での購入期待に関連していると考えられる。同じ時期に最も懸念される物質の数量は年ごとに減少している。農薬使用に慎重として知られる方式(有機農法や減農薬栽培)での農家の取り組みと同様に、バイオコントロール製品の量が増加している。
地域住民の保護が、2019年12月27日付の政令等で定めた規定により強化された。これにより居住地の近くでの農薬の使用が禁止され、順守すべき最小安全距離が課せられている。政府は2020年に弱者の受け入れ施設(学校・保育園などの子供の受け入れ施設や高齢者・障碍者受け入れ施設など)を保護するべく、現行規定の強化に取り組む。
フランス大統領のコミットメントに従い、政府は、農民を技術的・経済的な行き詰まりに陥らせることなく、非化学的代替品が存在する用途に関して、2020年末までにグリホサートから脱却する計画を確認している。毎年約4億ユーロが投じられており、そのうち2億ユーロが有機農業への転換に充てられている。この金額は、2020年から最大2億5,000万ユーロに増加する。これは、汚染拡散課金の徴収増に関連しており、その収益のすべてが農業の生態学的な移行に充てられる。
政府はまた、研究や科学的専門能力の活用を引き続き追求する。これには、国立農学研究所(INRA)、国立環境・農業科学技術研究所(IRSTEA)、フランス農業開発研究国際協力センター(CIRAD)の合併により1月1日に発足した国立農業・食料・環境研究所(INRAE) などの専門施設だけでなく、全国の科学コミュニティ全体が関与する。それは優先研究プログラム「様々な方法での栽培と保護」の意図するところであるが、国立研究機構(ANR)によるプロジェクト公募も多数ある。
[DW編集局+JSTパリ事務所]