[本文]

国・地域名:
ドイツ
元記事の言語:
ドイツ語
公開機関:
ドイツ連邦教育研究省(BMBF)
元記事公開日:
2020/01/31
抄訳記事公開日:
2020/03/10

CureVac社とCEPIが新型コロナウイルスのワクチン開発のため協力することを発表

CureVac und CEPI bauen Kooperation zur Entwicklung eines Impfstoffs gegen das Coronavirus nCoV-2019 aus

本文:

mRNAをベースとした医薬品の臨床開発および非臨床試験のパイオニアであるバイオ医薬企業CureVac社と、新規感染症に対するワクチン開発加速化の官民パートナーシップである「感染症流行対策イノベーション連合(CEPI)」は、新型コロナウイルスCOVID-19に対するワクチン開発のために協力することを発表した。協力の目標は、安全なワクチン候補をできる限り迅速に臨床試験することである。この取り決めは既に両者の間に存在する、迅速に利用可能なワクチン・プラットフォームを開発するためのパートナーシップを基盤とするものである。CEPIにより加速化されたワクチン開発とワクチン製造ならびに臨床試験のための83億ドルの資金負担を含んでいる。CEPIは連邦教育研究省(BMBF)から総額9,000万ユーロの資金を得ている。

CureVacのCTO、フォーティン・ムレチェク博士(Dr. Mriola Fotin-Mleczek)は、「CureVacの技術とmRNA-プラットフォームは、今回のようなウイルスの発生に対する迅速な対応に適している。CEPIの資金のおかげで、健康上の脅威への対処をより効果的に支援できる。前臨床試験に成功した後、迅速にヒトでの臨床研究でテスト出来るワクチンを速やかに開発している」と語った。

CEPIのCEOであるハシェット氏(Richard Hachett)は、「コロナウイルス感染の急激な拡大に直面して、CEPIは迅速に反応し、現在の協力関係を拡大して、このタイプのウイルスに対するワクチン開発のためにCureVacのmRNAベースのプラットフォームを利用することにした。既知の病原体の遺伝子配列を利用することで、数週間以内に、これまで可能であったよりも著しく速く、臨床実験のための候補ワクチンを開発したい。非常に大胆なスケジュールであり確実ではないが、たとえ成功したとしても、これらのワクチンを幅広く利用出来るようにするためには、まだまだ多くの課題を克服しなければならない」と述べた。

CureVacはRNAプリンタ(The RNA PrinterTM)の開発も取り組んでいる。mRNA作用物質の迅速な供給のための移動式の、自動的な生産ユニットである。2019年2月CEPIはCureVacに対して、この技術に対し最大3,400万ユーロを助成すると約束した。この革新的なプラットフォームは今後速やかにLNP(脂質ナノ粒子)によるmRNAワクチン候補を生産しようというもので、ラッサ熱、黄熱病、狂犬病等の周知の病原体にたいしても使用することができる。

BMBFはCEPIイニシアチブの創設メンバーであり、総額9,000万ユーロでこれを助成している。CEPIは将来のパンデミック回避のために、緊急に必要なワクチンを開発するため、様々な関係機関を幅広く結集させている。

カルリチェクBMBF大臣は次のように語った。「コロナウイルスはここ数日多くの人々を不安にさせている。ワクチンの開発はこの疾病を抑えるために、非常に重要な貢献をなすものである。CEPIのような国際的なアライアンスが開発を前進させ、ドイツの研究開発の専門性が活用されることに勇気づけられる。多くの人々が待ち望む、素晴らしい成果が間もなく達成されることを願うものである」。

[DW編集局]